3児の父、麒麟・田村裕が“子育てへの不安”を明かす「子どもに同じ思いをさせたくなくて…」
後輩芸人に喜ばれた、育児のアドバイス
――田村さんが、芸人仲間に子育てのアドバイスをすることはありますか? 田村:後輩たちに必ず言うのは、「“俺は手伝ってる”という思い込みが一番危険。奥さんがやってほしいことを理解しないと、家の中のやるべきことは減らない。自己満足にならないように気をつけろ」ということです。 例えば、赤ちゃんが泣いているとき、奥さんは計算して無理にあやさないこともあります。「オムツは替えたばかりだし、おなかも空いてない、今は少し泣かせておいたほうが夜しっかり寝るな」と考えているのに、たまたま家にいる夫が「何でほったらかしてるの」と、“やってます感”丸出しであやしてたら、奥さんはめちゃくちゃ腹立ちますよね。だから、奥さんが本当に何をやってほしいと思っているのか、夫婦で擦り合わせることをサボらないほうがいいとよく言っています。 あと、産後はホルモンのバランスが崩れて余計にしんどいから、奥さんが普段よりも気が立っているからといって、それが本性だとは思わないほうがいいということです。 ――後輩さんたちの反応はどうですか? 田村:「聞いておいてよかったです」と言ってくれてます。特に感謝されるのは、「2人目が生まれたら、『奥さんは1人目のときに慣れているから大丈夫だろう』と慢心しないほうがいい」というアドバイスです。奥さんは、上の子を見ながら赤ちゃんを育てるのは初めてだから、すごく大変な思いをするんです。それなのに、1人目のときよりも手伝わなくなる夫が多いらしく、それを一生恨んでいるという話を以前聞いたことがあります。 だから僕自身も、2人目が生まれたときは単身赴任でしたが、家にいるときはできる限りのことをしようと気をつけました。心当たりのある方は、この記事を旦那さんに見せて、トークテーマにしてもらうと、伝わりやすいかもしれないですね(笑)。
いきなり怒ることがなくなったワケ
――3人のお子さんの育児を通して、パパとして成長したと感じることはありますか? 田村:以前は何でもかんでも怒っていましたが、一旦様子を見て、どうしたら状況が良くなるのか、アプローチの仕方を考えるようになりました。注意や声かけはよくするんですけど、子どもに限らず、奥さんを含めて対人関係全般で、いきなり怒ることはなくなりました。「パパは今こういう気持ちやねんけど、どう思う?」と、子どもたちに相談するようにしています。 ――怒らなくなったきっかけはあったのでしょうか? 田村:上のお姉ちゃん2人が、1番下の弟に、僕そっくりの怒り方をしていたからです。「もうあんただけ連れて行かへんで! 家で1人で留守番してたらいいわ」とか言っているのを聞いて、「これ地獄やな」と反省しました。僕自身が変わらないと子どもたちも絶対に変わらないと思ったんです。僕があまり怒らなくなったことで、お姉ちゃんたちの言い方も少しだけマシになってきているように感じます。僕が見ているときだけかもしれないですが(笑)。それだけでも十分だし、こういう言い方はよくないという価値観感の種が植え付けられていれば、本人が自覚したときに勝手に花が咲くんじゃないかと思います。 なんか、この話だけ読むとめっちゃいいパパみたいですけど、生身の人間やから機嫌が悪い日もあるし、空気読まれへんところもあります。子育ては難し過ぎますね。