資産運用会社、6週連続でドル先安観強める-FOMC控え試練
(ブルームバーグ): 米雇用統計が予想より強く、ドル指数が約1カ月ぶりの高水準となる直前、資産運用各社がドル安への警戒感を強めていた。
ブルームバーグがまとめた米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ファンドは2022年以降で最も長期となる6週連続でドルのネットショートを増やした。
7日に発表された5月の米非農業部門雇用者数はエコノミスト予想を上回り、米利下げ観測が後退。ドル買いが加速した。
ゴールドマン・サックス・グループのカマクシャ・トリベディ氏らストラテジストはリポートで、底堅い米労働市場は、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)決定に向け「ドルの基調を固めるのに寄与するはずだ」と指摘。
選挙を巡る不透明感や堅調な資産リターンの中で「ドルは今後数カ月のポートフォリオの流れにとって『最も安全な避難先』であることが証明されるとわれわれは考えている」とコメントした。
雇用統計がFOMCの短期的な政策大転換への期待を打ち砕いたことで、ドルは7日、全G10通貨に対し上昇。ブルームバーグのドル指数は1月以来の大きな上昇を記録した。FOMCは12日、金利見通しを3カ月ぶりに更新するため、ドル弱気派が再び試されるかもしれない。
FRB、金融緩和への決意は健在か-ドット・プロットが手掛かりに
ブルームバーグの調査によると、エコノミストの41%が注目の「ドット・プロット(金利分布予測図)」で年内2回の利下げが示唆されると予想している一方、同数のエコノミストは利下げは1回だけ、もしくは全く行われないと想定している。
XTBの調査ディレクター、キャサリン・ブルックス氏はリポートで、「労働市場の強さを理由に今年の利下げを完全に見送るリスクは小さい」と予想しながらも、「債券利回りの急上昇や広範なドル高、株安の引き金になるかもしれない」との見方も示した。
原題:Asset Managers Ramped Up Bearish Dollar Bets at the Wrong Time
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Ruth Carson, Masaki Kondo