米長官、台湾巡り中国をけん制 「強制より対話を」
【シンガポール共同】オースティン米国防長官は1日午前、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、「争いは強要や紛争、懲罰ではなく、対話を通じて解決するべきだ」と述べ、台湾や南シナ海で覇権的な動きを強める中国をけん制した。米国を含むインド太平洋の国々は「主権や国際法を尊重している」と強調した。 中国は独立派とみなす台湾の頼清徳政権発足に反発し、台湾周辺で軍事演習を実施するなど圧力を強めており、バイデン米政権は懸念を深めている。オースティン氏は、中国を名指しするのは避けつつ「法の支配を拒否し続ける者もいる」と警戒感を表明。日本やフィリピン、韓国、オーストラリアといった同盟・友好国と防衛協力を深め、対抗していく考えを示した。 オースティン氏は演説で、南シナ海での中国によるフィリピン船への妨害行為を念頭に「フィリピンが直面する嫌がらせ行為は危険だ」と批判した。「誤解や誤算を避けるためには、対話に代わるものはない」と述べ、衝突回避のため中国と軍同士の対話を維持する重要性も強調した。