屋外で駆け回って声を収録、アニメ映画「リンダはチキンがたべたい!」メイキング映像
アニメーション映画「リンダはチキンがたべたい!」より、斬新な方法で声を収録する様子を捉えたメイキング映像がYouTubeで解禁された。 【動画】「リンダはチキンがたべたい!」屋外で声を収録した斬新な制作現場のメイキング映像 本作はフランス郊外の団地を舞台に、亡き父が作ってくれたチキン料理をどうしても食べたい8歳の少女リンダを描いたドタバタ劇。母親の勘違いで叱られたリンダは、間違いを詫びる母に、かつて父が作ってくれたチキン料理が食べたいと懇願する。しかし、その日は街中のストライキでどこも店じまい。それでも母娘は警察官、運転手、団地の仲間たちを巻き込みながら、“思い出の料理”を食べるため行動を起こしていく。 通常の録音スタジオではなく、シーンに合わせて学校やアパートの踊り場、屋外スペースなどで実際に体を動かしながら演じる俳優たちの声を使用した本作。彼らはヘッドセットを装着し、雑音の少ない発泡スチロールで作られた小道具を使って、実写映画の撮影のように芝居をする。さらにアニメーターたちは、モデルシートや脚本に縛られることなく、この録音音声から想像した動きを自由に作画するという制作スタイルが取られた。 映像には、走り回りながら演じる子供を音声スタッフがマイクを持って追う様子などが映し出され、それらのメイキング映像と完成したアニメーションを見比べることができる。監督のキアラ・マルタは「この映画ではセリフ・物語・現実の接点を探った。俳優たちが現場でどう動くか見たかった」と話し、「演出にもいい影響を与え、作品自体の価値を高めた」と語った。 アヌシー国際アニメーション映画祭2023で最高賞のクリスタル賞を受賞した「リンダはチキンがたべたい!」は全国で順次公開中。マルタと、セバスチャン・ローデンバックの夫妻が監督を務めた。日本語吹替版には落井実結子、安藤サクラ、リリー・フランキーらが参加している。 (c)2023 DOLCE VITA FILMS, MIYU PRODUCTIONS, PALOSANTO FILMS, France 3 CINÉMA