あちらこちら、揺れる柿のれん 上山・本庄地区で最盛期
上山市本庄地区で、同地区発祥とされる「紅柿」を使った特産の紅干し柿作りが最盛期を迎えている。昨年は春の凍霜害などで紅柿と平核無(ひらたねなし)のいずれも不作だったが、今年は一転、大豊作に。地区の至る所で例年通りに初冬を告げる赤黄色の「柿のれん」が揺れ、生産者は急ピッチで作業を進めている。 同市相生の須田青果園の干し柿作りは、平核無に続いて先週末から紅柿に移行した。紅柿は「蔵王おろし」と呼ばれる寒風にさらして干し柿にすると、特有の渋みが抜けて濃厚な甘みを楽しめるという。作業場には紅柿が入ったたくさんのコンテナが積まれ、スタッフが手際よく皮をむき、ひも1本につき16~18個を結んで干し場につるした。 代表の須田善昭さん(47)によると、今年の紅柿はやや小ぶりなものの、例年の1.5倍の収量が見込まれているという。「忙しいがやりがいのあるシーズンを送っている。おいしい紅干し柿をたくさんの人に届けたい」と話していた。紅干し柿は12月中旬から出荷し、作業は来年1月下旬まで続く予定だ。