エヌビディア株、テクニカル分析で底値探る動き-株価急落受け
(ブルームバーグ): 米半導体メーカー、エヌビディアの時価総額が約4300億ドル(約68兆6300億円)消失した過去3営業日の株価急落を受け、トレーダーは底値がどこになるかヒントを得ようとテクニカル分析に目を向けている。
エヌビディアは時価総額で先週マイクロソフトを抜いて一時トップになって以来、株価が13%下落。これにより4月以来となる調整局面入りした。これは直近のピークからの株価下落率が10%以上に達したことを示す。
エヌビディア株が調整局面入り、過去3営業日で時価総額68兆円消失
25日も下げは続きそうで、ニューヨーク時間早朝の時間外取引では一時2.4%安を付けた。
キングスビュー・パートナーズのチーフ・テクニカルアナリスト、バフ・ドーマイヤー氏によれば、この株価急反転には降伏を示す明確なサインが見られる。
先月発表された1対10の株式分割や「最大の企業になったという朗報が伝わった後にこうした事態になったことが憂慮される」と同氏は指摘。115ドル付近が短期的な支持線になり、その次の節目は100ドルとみている。
エヌビディア株の115ドル付近は、テクニカルアナリストが株式などの支持線や抵抗線を見極めるために利用するフィボナッチ分析の節目近辺。4月の取引時間中安値から先週の上場来高値への上昇幅の38.2%戻しの水準で、24日株価終値を約2%下回る。
オッペンハイマーのテクニカル分析責任者アリ・ウォールド氏によれば、エヌビディアでは特定の水準よりも長期トレンドが重要だ。株価は50日移動平均(101ドル付近)と100日移動平均(92ドル)をなお大きく上回っており、堅調さに変わりはないという。
同氏は、長期的な上昇トレンドは維持されていると考えているが、ドーマイヤー氏と同様に100ドルの水準に注目している。
グラナイト・ウェルス・マネジメントのチーフテクニカルストラテジスト、ブルース・ザロ氏は、「エヌビディアのような上昇トレンドにある銘柄は、最初の支持線を抜けることは懸念材料にならないだろう」とする一方、100ドルを割り込めばそうなるだろうと話した。