ここにきて圧倒的に性能が上がっている「自動翻訳機」は海外旅行で本当に使えるのか、その答え
ゴールデンウィークに海外旅行を計画している人も多いだろう。海外で困るのが言葉だ。数日間の旅行のために現地語を覚えるのも面倒だろうし、かといって何もわからないと買い物も食事も不自由だ。最近は自動翻訳ソフトや翻訳機も性能が上がっている。実際に旅行で使えるのか、試してみた。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら?
旅行には十分だが、課題もある通訳ソフト
試用した通訳機はVasco Electronics社の製品で最大108言語に対応している。サイズは細身のスマホといった感じで、タッチパネルの操作感もスマホと変わらない。市販されている通訳機としては標準的なタイプだ。 電源を入れてすぐに会話モードやテキストモードなどの選択画面になる。カメラモードでは看板やメニューなどもカメラで撮影し、翻訳できる。グーグル検索などにもある機能だが、これは便利。メニューをそのまま翻訳してくれるのはありがたい。なお言語は自動判別できないため、ユーザーが選ぶ必要がある。 通訳モードで使う時は、相手の言語を選択、通訳機に向かって話してもらう。通訳機が相手の言うことを文字化して表示する。区切りがついたところで日本語に翻訳、文字表示と同時に読み上げる。通訳のボタンをタッチしてから文字化が始まり、それから翻訳して読み上げになるため、数秒のタイムラグがある。 日本語の文字化は精度が高く、しゃべり言葉もほぼそのまま聞き取っている。日本語は主語を省略して話すことが多いが、ちゃんと「私が」「私は」をつけたテキストとして外国語に通訳したので驚いた。 英語のスタンダップコメディを通訳させたが、結構な早口でもちゃんと文字化した。ローカルなギャグも日本語に変換されて、字幕と比較してもそれなりに意味が通ったが、表現は固くなる。「押さえておく」が「抑圧される」、「パズルみたいな」が「ルービックキューブを揃えること」などだ。 日常会話でコメディアンのように早口でしゃべる人はいないし、ローカルなギャグを話す人もいないだろうから、性能は十分だ。ニュースの読み上げの通訳も問題なかった。面倒な経済用語もほぼ日本語化できた。 ただし一文章の長さは英会話の一問一答程度と短く、長い文章には対応していない。少し間があると、すぐにそこまでの通訳が始まるので、同時通訳というわけにはいかない。また次の会話を通訳させるには、再びボタンをタップする必要がある。 外国語の会話の例文のように、一文ずつ交互に通訳する形になる。また映画のセリフを通訳させようとしたが、複数の人物がしゃべるシーンでは対応できなかった。 旅行で利用する分には十分な性能で、一台あれば活動範囲が広がるだろう。インバウンド関連のショップでもこうした通訳機があれば、対応に苦慮せずに済む。