平川結月、初の写真集で魅せる22歳の今「私に沼ってほしい」
自分に制限をかけず「とりあえずやってみる」
──先ほどお話に出てきたように、『王様戦隊キングオージャー』で演じたリタは感情の起伏をあまり見せないキャラクターでしたが、ギャップという意味では王様たちのなかでは一番振り幅が大きかったと思います。 そうですね。リタのキャラクターに関しては、脚本や監督の演出ですごく面白く膨らませていただいたなと思っています。それでもやっぱり根本にあるのは、裁判長としての自分、国王としての自分、リタ・カニスカとしての自分という3つの顔であって、それらが重ならざるを得ない状況で出てくる矛盾やもどかしさがリタのギャップを生み出しているんじゃないかなと演じながら思っていました。 ──その根本があるから、必然的にリタのギャップが引き出された? そうだと思います。それに、ほかの王様たちがすごく自分勝手にガチャガチャ動いてあっちこっちで色々始めるので(笑)、それを見ていたら自然とリタも反応してしまいますよね。 ──パイロット監督の上堀内(佳寿也)さんと仕事をしてみてどのように感じましたか? 妥協をしないというか……最後の最後まで、最後のワンカットまで、より良いものやさらに面白いものをつくろうと追求される監督なので、私もそこに必死で食らいついていく感じでした。 ──監督とのやり取りのなかで今後も忘れないでおきたいことなどは? 「とりあえずやってみる」ということを学びました。相手の出方を探ってしまったり、「こうやってみようかな? いや、やっぱりやらないでおこう」と自分自身をコントロールしてしまう部分が私にはあって。 私のそういう性格を上堀内監督はきっと気づいていたんでしょうね。「こっちでいくらでも修正できるんだから、とりあえず1回やってみなよ」と言ってくださって、その言葉にすごく救われました。一歩踏み出す勇気を『王様戦隊キングオージャー』での1年間で鍛えていただいたなあと思っています。 ──表情が見えにくいリタでしたが、目や眉の動きなど、とても細かいところまでお芝居されていた印象でした。 1年間リタを演じたことで改めて気づいたのが「すべての動作にはちゃんと意味がある」ということでした。それってリタを演じたからこそ、より強く感じることができたんだと思います。 不動を貫いているけれど、動いていないわけではない。止まっていることにも何かしら意味があるし、何をするにも「絶対にそうしないといけない」とリタが思った理由が必ずあるので、「なぜ今リタはこうしたいのか」とか「なぜリタはこうしちゃったのか」といったことを深く考えるきっかけになりました。 ──戦闘シーンに声を入れるアフレコは、最初みなさん苦戦するといいますが? そうですね……リタに関しては、第一章(第26話まで)はそこまで戦闘シーンに声を入れることがなかったんですが、第二章からは結構声を入れるようになったんです。その理由について、監督から「第一章から2年経って、リタは強くなったんだ」と説明を受けました。 その“強さ”というのも、戦いに強いだけでなく、王として、ひとりの人間としてリタは強くなったんだなという実感があったので、それをどう声に乗せて伝えたらいいのか……最初は難しかったです。回数を重ねることで、徐々に表現できるようになっていったと思います。 ──スーツアクターの方とのコミュニケーションも特撮ならではですよね。 パピヨンオージャーを演じる蜂須賀(祐一)さんとは現場でなかなか会うタイミングがないので、会えたときにはキャラクターのイメージの共有や、「何話のここってこうだよね」みたいなすり合わせは結構やっていました。 「何話のあそこはこうやっておいたから、アフレコでこういう感じにしておいてくれる?」とか、意見を交換しながら一緒にキャラクターを作り上げた感じがありましたし、たくさん殺陣を教えていただいたりもしたので、1年間ずっと支えていただきました。 ──生身でのアクションも多かったですからね。 そうなんです。大きな剣を使うので扱いがすごく大変で、蜂須賀さんに剣の握り方から振り方まで、全部教えていただきました。