ソロ活動30周年にして初のライフスタイル本を発売し大反響! 奥田民生「僕はもう"自分らしさ"なんて考えないです。勝手に出るだろって」
奥田 それおかしいですよ! たぶんあの人たちは、ライブやツアーをすること自体が好きなんでしょうね。 まぁストーンズの皆さんの心はわからないですけど、同世代だけじゃなく、若い人たちが自分らの音楽を聴いてライブを見に来てくれてるってことは、まだ自分たちも音楽界に必要とされてるんだって思えるから、それでやってるんだと思います。 自分もフェスに出たときに、似たようなことを感じますよ。それはかなり自分のモチベーションになりますね。 ――今年10月にソロ活動30周年を迎え、来年5月には還暦を迎える奥田さんですが、この先のビジョンは? 奥田 ほんとは還暦でズドーンとスローにいきたかったけど今の世の中、70歳を超えたぐらいからじゃないと許してくれないというか(笑)。周りを見ても60代はみんな普通にやってる。なので、もうちょっとこのままいきます。いける分にはね。 ――まだまだ奥田民生のロックンロール人生は続くと。 奥田 先輩アーティストの中にも、いけるだけいこうと思ってたら結局、やたら元気なままだから続いちゃってる、みたいな人が多いと思うんですよ。そんな状況で、オレだけ引退しますとか言えないです(笑)。なので60代は様子見でお願いします。 ――最後に、行き詰まりを感じていたり、もっと頑張りたい読者にひと言を。奥田 本人は悩んでるけど、でもその内容が周りから見たら実はそんなに大したことじゃないってときあるじゃないですか。だから、一度われに返ってほしいですね。 自分もけっこうあるんですよ、「ずっと思い込んでいたものが、実はそうじゃなかった」みたいなことって。信じた道を突き進め、みたいな言葉はあるし、僕も昔から好きなものは変わってないとか言ってるけど、でも大半のものはゴロゴロ変えてきたんで。 なので、悩んだときは"われに返る"で日々の生活を頑張ってみるでいいんじゃないでしょうか。 ●奥田民生(おくだ・たみお)1965年5月12日生まれ、広島県出身。87年、バンド「ユニコーン」でデビュー。『大迷惑』『働く男』『すばらしい日々』などヒット曲多数。94年からソロ活動を本格的に開始。PUFFY、木村カエラらのプロデュースや井上陽水とのユニット「井上陽水奥田民生」ほか、コラボなど多方面で活躍 ■『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』奥田民生(著) ダイヤモンド社 定価 1760円ソロ活動30周年を記念して発売された初のライフスタイル本。仕事、友達、遊びと金、健康、メンタル。5つのテーマを奥田民生が語り尽くす。これさえ読めば、誰もが奥田民生のように生きられる!? 取材・文/土屋恵介 撮影/田口まき(インタビュー) Kenji Miura(ライブ)