現在58歳で「ねんきん定期便」によると、年金を「月14万円」もらえる予定です。貯蓄も少なく年金だけでは心もとないため「月18万円」もらいたいのですが、何歳まで働けば良いですか?
日本年金機構は年金制度への理解を深めることなどを目的に、毎年誕生月に「ねんきん定期便」を送っています。 「ねんきん定期便」の記載内容は年齢によって変わりますが、50歳以上(59歳以外)の人に対しては、実際に将来受け取れるであろう年金の種類と見込み額が記載されています。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説 「ねんきん定期便」の記載を見て、将来受け取れる金額が生活に必要な金額に満たないため、「年金の繰下げ受給」によってその差を埋めるつもりの人もいるかもしれません。 本記事では、月14万円の年金を月18万円に増やすには、何歳まで年金を繰り下げればよいのか解説します。
「ねんきん定期便」の受給額は65歳の前提
58歳の人が受け取る「ねんきん定期便」には、現在の年金加入制度に60歳まで加入した場合に「65歳から受け取れる年金見込み額」が表示されています。 58歳であれば、これまでの加入期間が長く、反対にこれからの期間はあまりないため、ここから年金見込み額が大幅に増えることはあまり期待できません。そのため、現在の見込み額がもらいたい年金額よりも少ない場合、「年金の繰下げ受給」を検討するのもよいでしょう。 なお、「ねんきん定期便」にも、年金の受給開始年齢を70歳と75歳に繰り下げた場合の年金見込み額が記載されています。 とはいえ、年金の繰下げ受給についてはいまいち内容がよく分からないという人もいるでしょう。年金の繰下げ受給の概要と、今回のケースでは何歳まで年金受給開始年齢を繰り下げればよいか解説していきます。
年金の繰下げ受給
年金は、基本的には65歳から生涯受け取ることができます。ただし、65歳から受け取らずに、66歳から75歳までの間に繰り下げて受け取ることも可能です。そして、受け取れる年金の金額は、1ヶ月繰り下げるたびに0.7%の増額率が加算されます。 例えば、65歳から月額14万円もらえる人が66歳0ヶ月まで受給開始を繰り下げた場合、毎月受け取れる年金額は次のとおりです。 14万円×(1+0.7%×12ヶ月)=15万1760円 今回の前提では、65歳からもらえる金額である月額の14万円に比べ、必要な金額である18万円は28.6%大きい金額です。そして、年金の繰下げ受給において、増額率が28.6%を超えるタイミングは68歳5ヶ月です。 具体的には、65歳から14万円受け取れる場合、68歳5ヶ月に繰り下げることで受け取れる年金額は次のとおりです。 14万円×(1+0.7%×41ヶ月)=18万180円 68歳5ヶ月から年金を受け取り始めるということは、そこまでの生活費については貯蓄を切り崩すか働くといった選択肢が中心になるでしょう。 なお、「ねんきん定期便」に記載の見込み額は、60歳まで年金制度に加入した前提です。もしも68歳5ヶ月まで会社員として働いた場合、基本的にはその期間にも年金保険料を支払うことになるため、その分受け取れる年金額も増えていきます。
まとめ
65歳で年金を月額14万円もらえる場合、18万円に増やすには68歳5ヶ月まで働く必要があります。年金を繰り下げると毎月の年金受給額は増えますが、受け取れる期間は減ってしまいます。自身の貯蓄や健康状態、就労に関する意識などを考慮しながら、自分に合った年金の受給開始時期を選択しましょう。 出典 日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています 日本年金機構 年金の繰下げ受給 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部