中央青果委託手数料を改定 経営改善へ1%引き上げ 奄美市
鹿児島県奄美市名瀬の同市地方卸売市場を管理・運営する、名瀬中央青果(中村博光社長)の筆頭株主の同市は1月1日から、一部を除き農産物を持ち込んだ際に生産者が支払う委託手数料を従来から1%引き上げる改定を行った。一方、中央青果の2023年度実績で取扱額の約16%(9435万円)を占めるタンカンについては、奄美大島選果場の光センサーを利用した場合に、手数料を半額にする制度を導入。選果場の利用と品質が保証された果実の流通促進を図る。 市農林水産課などによると、名瀬中央青果は23年度まで4年連続で赤字決算が続いている。市は今年度、中央青果の株を買い増して50%以上としたことに伴い、経営改善の一環で手数料改定を実施した。 名瀬中央青果で取り扱う委託品目の分類は「野菜およびその加工品(漬物含む)」「果実およびその加工品」「鶏卵」「花き」。手数料は地場産、移入品ごとに設定しており、従来は移入品が7%、地場産は野菜およびその加工品(9%)と鶏卵(6%)を除き7%となっていた。 県内の各市場は手数料をおおむね10%に設定している。奄美市地方卸売市場の手数料改定は23年度の取り扱い実績を基とした試算を参考に、生産者の負担増とならないよう、中央青果の黒字転換が可能になる8%へ引き上げた。地場産の鶏卵は7%へ引き上げ、野菜およびその加工品は1%引き下げた。 1日からは果樹も8%となるが、タンカンについては奄美大島選果場を利用した果実については4%とする。 市農林水産課は「光センサーを通したタンカンの手数料を減額したことで選果場の利用が促進され、市場に品質が保証された果実の流通量が増えることで、消費者が味のバラつきを心配することなく購入できる環境ができれば」と期待。タンカンを含む委託手数料の改定を機に「名瀬中央青果の赤字経営を改善し、職員の処遇改善を図っていきたい」としている。
奄美の南海日日新聞