“元祖・駅伝アイドル”西村菜那子が語る箱根駅伝の魅力と100回大会の見どころ「沿道の補助員まで見てください!」
記念すべき100回目「選手以外も見てほしい」
――箱根駅伝は100回目を迎えます。“100”を感じることはありますか。 西村 今年はお仕事で予選会に行かせていただいたのですが、今回は関東学連以外のチームも出場しました。そういった大学が参加したり、応援が来たりしているのを見て、100回目だなぁって。 予選会に行くと、こんなに多くの大学が箱根駅伝を目指しているんだなって目の当たりにします。シード10校を除いてもこれだけいる。箱根駅伝は20数チームじゃないんだなって。そう考えると、チームとして出場するのも難しいし、その中で10人に入るのは本当に大変なこと。簡単にブレーキだ、とか、失速、なんて言えないですよね。 ――100回記念大会の戦力図はどうでしょう。 西村 トラックシーズン、2つの駅伝含めて、駒大が強すぎます!! 前回5区の山川拓馬選手、6区の伊藤蒼唯選手を平地に回せそうなくらい力をつけてきましたよね。注目は庭瀬俊輝選手! これまでほとんど同じ選手層でエントリーしてきた中で、上尾ハーフマラソン2位と調子を上げて食い込みました。赤星雄斗選手も応援しています。テレビの収録で寮におじゃましたときに、同部屋の山川選手が「こんなに優しい人は見たことがない」と言っていたくらいの性格で控えめなんです。 2位争いはシンプルに、青学大、中大、國學院大が抜けていて、青学大が少し優位だと思います。ただ、往路優勝争いなら話が違ってきます。往路は駒大、城西大、創価大だと予想します。城西大と創価大には留学生と強い5区がいます。創価大の吉田響選手は“山の神”になると思います! ここに全日本の序盤で健闘した早大も争いに加わると思います。大東大も少し前の青学大のような雰囲気で、自己ベスト連発で勢いがありますよね。18年連続シードの東洋大は19年連続なるか。勢力図の変動が激しい中でここまでシード権を続けていること自体がすごいことですよね。 ――箱根駅伝の「こういうところを見てほしい!」というポイントはありますか。 西村 走路補助員をしている選手のことを見てほしいなって思います。箱根駅伝を走れなかった大学の選手たちが補助員をしているのですが、私の母が沿道で観戦した時に、コースに背を向けて涙を流していたそうなんです。きっと走りたかったんだろうなって。母は名前も何も聞かなかったですが一緒に写真を撮ったそうで、「一生懸命、これから頑張ります」と言ってくれたそうです。 走る選手がメインなのはもちろんですが、給水をする選手やサポートに回る選手、補助員など、そういった方々にも注目していただけたら駅伝ファンとしてうれしいです! ――最後に選手へメッセージをお願いします。 西村 100回目の箱根駅伝を走るみなさんは、生まれ持った才能、そして「運がいい」という才能を持っている方々だと思います。だからこそ、素晴らしい箱根駅伝を作り上げるのは間違いないと思います。走るだけですごいこと。自信を持っていただきたいです。応援しています! ◎にしむら・ななこ/1997年8月11日生まれ、O型。長野県出身。特技はクラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を言える。趣味は陸上観戦、サッカー観戦。2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。22年9月にグループを卒業し、ソロとして活躍中。自らのメディア『西村駅伝』を立ち上げて選手たちを取材。来年3月に初のソロ写真集『ひと息ついて』を発売する。
向永拓史/月陸編集部