“元祖・駅伝アイドル”西村菜那子が語る箱根駅伝の魅力と100回大会の見どころ「沿道の補助員まで見てください!」
第100回大会を迎える箱根駅伝を前に、特別な思いを持つ著名人の方々にインタビューした。NGT48に所属していた頃に“駅伝好きアイドル”として、陸上界でも知られるようになった西村菜那子さん。グループ卒業後も舞台でも活躍する一方、駅伝関連の仕事も多数こなす。駅伝を好きになったきっかけと、100回大会の見どころを聞いた。 【写真】自身でノートに注目選手をメモするなど箱根駅伝を愛して止まない西村菜那子さん
印象に残る柏原竜二、服部翔大
――何度もお話されていると思いますが、箱根駅伝を見るようになったきっかけを改めて教えてください。 西村 元々、両親が好きでいつもテレビで流れていました。中学1年の時に箱根駅伝をちゃんと見たのですが、東洋大の柏原竜二さんが走られていて、こんなに山をスイスイと走る人がいんだって衝撃を受けました。 その時は往路だけを見たのですが、翌日、ニュースを見たら映っていたのは早稲田大。あんなに速い選手がいるのに順位が変わるんだなって。そこでおもしろさを感じたんです。都道府県対抗駅伝ではライバルだった選手がチームメイトになったり、その逆もあったり。 翌年は往路・復路を見て、いつの間に出雲駅伝、全日本大学駅伝も見て、気づいたら高校生、実業団、記録会にも手を出していました(笑)。 ――やはり思い出の選手というのは柏原さん? 西村 きっかけを与えてくださったのは柏原さんです。当時はSNSをやっている選手も少ないなか、柏原さんのツイートを見たくてアカウントを作ったくらい。箱根駅伝に引き込んでくれた人です。 今は伝える側になられていますが、質問の仕方などすごく勉強させていただいています。お仕事でご一緒することもありますし、人生相談にも乗ってくださいます。ありがたい存在です。 好きになるきっかけが柏原さんなら、駅伝ファンになってから一番印象に残っているのは日体大の服部翔大さんです。第88回(2012年)で19位となってシード落ちした後、服部さんが3年生でキャプテンをされたんです。箱根駅伝予選会をトップ通過して、本大会でも5区を走って30年ぶりの総合優勝。この流れが本当にすごいです! その翌年にはお父様を亡くされて、それでも仲間を鼓舞したり…。 調べれば調べるほど、選手それぞれに物語があるのも魅力の一つです。高校の時は全国区でなかった選手が活躍したり、羽生拓矢選手のように苦しんだ後に活躍したり。選手の人生の一部をのぞけるのも興味深いです。 ――印象に残っているシーンはありますか。 西村 たくさんあって絞れないですが……。2019年(第95回)のフィニッシュシーンです。5連覇が懸かった青学大が東海大に負けて2位だったんですが、青学大の鈴木塁人選手が笑顔でフィニッシュしていて、待っている選手もみんな笑顔。負けても笑顔なのが青学大らしさ、学生駅伝らしさだなって。素敵でした。 これも同じ大会ですが、5区で國學院大の浦野雄平選手と駒大の伊東颯汰選手が競り合っている時に、当時・駒大の大八木弘明監督がライバル校の浦野選手に声をかけるシーンはおもしろかったです。「浦野! 人の後ろにばっかりいたらダメなんだ!お前が引っ張れ!」って(笑)。大八木監督と國學院大の前田康弘監督も師弟という関係があるのもおもしろいですよね。