マイクロソフトにEUが異議告知書、チームズで競争法違反の疑い
(ブルームバーグ): 米マイクロソフトは、欧州連合(EU)から巨額の制裁金を科される恐れがある。市場への支配力を乱用し、ビデオ会議ソフトウエア「チームズ」を他のビジネスソフトウエアと抱き合わせにしているとして、EUの行政執行機関である欧州委員会が同社を非難した。
欧州委員会はマイクロソフトに対し、いわゆる「異議告知書」を送付。この中で、チームズを「マイクロソフト365」や「オフィス365」とセット販売する同社の手法は、EUの競争法に抵触していると警告した。
この手法によってマイクロソフトは市場支配力と競合に対するチームズの優位性を守っていると、欧州委は指摘。チームズと競合ソフトウエアの互換性が限られていることも、チームズの不当な優位性を高めていると主張した。
欧州委のベステアー上級副委員長(欧州デジタル化総括)は25日、「遠隔コミュニケーション・コラボレーションツールの競争維持は欠かせない。それがこの市場でのイノベーションを促すからだ」と述べた。
EU競争法に違反した場合の制裁金は、違反企業の世界売上高の最大10%に設定されている。ただ、この最大額の制裁金が科されることはまれだ。
マイクロソフトはこれまで、チームズ販売手法への当局による本格調査を回避しようと努めてきたが、それは成功していない。ただ、同社はさらなる譲歩を検討すると約束。内容次第では、処罰を免れる可能性がある。
マイクロソフトのブラッド・スミス副会長兼社長は発表文で「チームズの抱き合わせは解除し、互換性についても最初の措置をとった。本日提供された一段と明確な指摘に感謝する。欧州委の残る懸念に対処するため解決策を見いだせるよう取り組む」との意向を示した。
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原題:Microsoft Risks EU Fine After Antitrust Warning Over Teams App(抜粋)
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Samuel Stolton