新型フリードの魅力を走って体感。「ちょうどいい」が着実にアップデート
発売を控えている新型フリードの走りをメディア向け先行試乗会で体感した。実車を観察し、乗って、技術者から話を聞いた内容をもとに、新型フリードの概要をお届けしていこう。 TEXT & PHOTO:世良耕太(SERA Kota)PHOTO:長野達郎(NAGANO Tatsuo)
新旧フリード乗り比べ
新型の特徴を表すフレーズとして開発陣は、「ジャストライト(ちょうどいい)ミニバン」の表現を考えたという。だが、ミニバンとしてしまうと用途を限定してしまう懸念があり、最終的には「ムーバー」の単語を選択した。「ジャストライト・ムーバー」だ。間口を広げた表現としている。 2代目にあたる現行フリード(2016年~2024年)も、初代フリード(2008年~2016年)も、プレファミリーだけでなく、子育て中のファミリーや、子育てが終わったポストファミリーにも選ばれている。家族が増えたからコンパクトカーから“ちょうどいい”サイズの3列シートミニバンに乗り換えるという選択もあったが、サイズも含めて使い勝手がいいからと、フリードはライフステージを問わずに選ばれていた。 プレファミリーにとっては充分コンパクトで使いやすく、家族が増えても使えるし、家族が巣立っても使える。だから買い換える必要がない。実際、フリードは長く乗り続けるユーザーが多くいるという。 先行試乗会では、テストコース内で現行フリード(ハイブリッド仕様/FF)に試乗することができた。ハイブリッドはi-DCDと呼ぶシステムで、7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)にシングルモーターを組み合わせた構成。発進時はクラッチをつなぐので動きに変動(ショックと感じる人もいるだろう)があるし、変速時も変動(やはり、ショックともいえる)をともなう。 多段トラッスミッション車のようなダイレクト感のある走りを歓迎するユーザーがいるいっぽうで、変動を好まないユーザーももちろんいる。フリードのユーザーには女性が多い(例えば、平日はママが運転し、休日はパパが運転)となれば、スムースな走りを実現したほうが、歓迎する人は増えると考えられる。