中村部屋の引っ越し作業が始まる 「新しいスタート。人があこがれる力士を、私の背中を見せながら育てたい」
大相撲の二所ノ関部屋から独立した中村部屋が3日、東京・両国の新しい部屋への引っ越し作業をスタートさせた。午前中にトラック2台の第1便が到着すると中村親方(元関脇・嘉風)が中心になって搬入作業を開始した。 「いよいよ始まるんだなという気持ちです。私の師匠でもある先代の尾車親方(元大関・琴風)が定年退職のタイミングで部屋を興すことができず、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)にお世話になり、2年3カ月の間、勉強させていただきました。独立に当たっては先代の尾車親方からもいろいろアドバイスをいただき、このお二人には本当に感謝の気持ちで一杯です」 来週には地鎮祭を行い、稽古を再開する予定だが、「本格的な稽古は名古屋に入ってからになります」という。さらに「私に付いてきてくれた弟子が8人もいるので、自分なりの部屋を作っていきたい。強い力士を育てるのはもちろんですけど、人が憧れる力士を、私の背中を見せながら育てていきたい。最近は相撲人口が減っている。相撲経験者だけではなくラグビー、アメフト、柔道、レスリングの経験者がこの世界に入ってくれたら」と今後は積極的なスカウト活動を全国展開したい意向だ。 名古屋場所で十両に昇進する嘉陽は「楽しみです。来場所は15日間になるのでしっかり準備します」と気合い。早朝、約1時間半をかけて茨城・阿見町の二所ノ関部屋から相撲教習所に向かった新弟子の加藤は授業終了後に約3分で中村部屋に戻った。 新生・中村部屋の歴史がいよいよスタートした。
報知新聞社