使い分けの基準を知ってる? バイクで走行中のハイビーム
これらを要約すると、日が暮れたタイミングでヘッドライトは上向き、つまりハイビームを基本に運転。そして、対向車が接近してきたときや他の車両の直後を走るとき、交通量の多い市街地などでは、適切にロービームに切り替えて走行する必要があるという訳です。 なお、ハイビームのまま走りつづけると、他の車両の運転者が眩しさで視界を悪くし、運転に支障をきたすおそれがあります。 そうなると事故を誘発する危険性があるため、このような状況でロービームに切り替えなかった場合は「減光義務違反」となり、原付の場合は5000円、二輪車の場合は二輪車6000円の反則金に加え、違反点数1点が科せられます。 このことから、夜間の走行はハイビームを基本とし、周囲の交通状況に応じて小まめにロービームに切り替えるよう法律で定められているのです。 しかし、夜間に運転するライダーのなかには、「ハイビームは対向車に迷惑がかかるし、ロービームのままでも問題ない」という人もいるでしょう。 では、なぜ夜間の走行はハイビームが基本と決められているのでしょうか。
道路運送車両の保安基準では、ロービームは40m前方、ハイビームは100m前方の障害物を確認できる性能がなければなりません。つまり、夜間にハイビームで走行した場合は、ロービームの場合に比べて約2.5倍も早く歩行者を認識できる計算になります。 普段から夜間の走行でヘッドライトを適切に切り替えている人は、ハイビームの視野性の高さを実感している人もいるでしょう。 警視庁の公表する情報によれば、夜間に起きたクルマと歩行者の死亡事故のうち、半数以上がハイビームであれば回避できた可能性があったとの結果も出ています。 もし時速60㎞で走っている場合は、ロービームの40mという距離はあっという間。事故を防止するためにも、夜間の走行では、むしろハイビームを積極的に使ったほうが良いといえるでしょう。 では、昼間の明るい時間帯のヘッドライトは、どのように使えば良いのでしょうか。 昼間のバイクの常時点灯は、周囲に自分の存在を知らせるためにあるので、ハイビームにする必要はありません。クルマに比べて車体の小さいバイクは、ドライバーから見落とされがちです。 そのため、ヘッドライトの光で自車の存在を相手にアピールし、事故防止につなげています。したがって、昼間の視野が十分に確保されている時間帯は、常にロービームの状態で走行するようにしましょう。
バイクのニュース編集部