セオリー、お得意パンツコーデ きれいに着崩し「こなれ感」でオンオフ自在に
連載《ファッションハック》Vol.25
仕事着の代表格といえるパンツルックがしなやかにアップデートしています。見慣れたスーツやセットアップの定型を抜け出して、オンとオフを自在に相互乗り入れする着こなしが浮上。従来の「お約束」をわきまえすぎないアレンジは、芯の強いインディペンデントな人物像も印象付けてくれそう。今回は次世代リーダー層やエグゼクティブ層からも支持を集める「Theory(セオリー)」「theory luxe(セオリーリュクス)」の2024年春夏コレクションから、トレンドに合うパンツルックの着こなし拡張術をお伝えします。 【写真を見る】オンとオフを自在に相互乗り入れする着こなしが学べる、「セオリー」「セオリーリュクス」の2024年春夏コレクションはココからチェック!
■2024年春夏、メガトレンドは「ミニマル」
まずはトレンドの見取り図をおさらいしておきましょう。この春夏のメガトレンドは飾り気を控えた「ミニマル」です。従来の「シンプル」よりも、クールで凜々(りり)しいたたずまいに特徴があります。 ただ、地味に素っ気なく見せるのではなく、着こなしやディテールにひとひねりを加えるのが2024年春夏の流儀。ありきたりのパンツルックを抜け出す上でも試しがいのある新トレンドです。 ◇ ◇ ◇ 色や柄の主張を抑える傾向も強まっています。2024年春夏のセオリーはモノトーン、セオリーリュクスはペールトーン系での提案が目立っています。今回は、これら2ブランドのルックを「お手本」として、アップデートされたパンツルックの着こなしを見ていきましょう。
【お手本ブランド その1:セオリー】
セオリーは1997年に米ニューヨークで誕生した、「アーバンユニフォーム」がコンセプトのブランドです。ストレッチ素材のパンツを広めたことで知られ、スマートでスタイリッシュなテイストに定評があります。抜群のフィット感にファンが多く、ビジネスシーンを担う女性たちを顧客に多く抱えています。 SDGs(持続可能な開発目標)への意識が高く、自立支援などの活動に熱心なことでも有名。「ユニクロ」とのコラボレーションは毎回、話題を集めています。
■王道パンツスーツ、「シャツ出し」でハンサムに
フレッシャーズの装いにぎこちなさを覚えるのは、過剰にかしこまってスーツを着ているように見えるからです。ルールを守りすぎると、スーツが人を着ているかのような「着負け」現象が起こりがち。上下がそろいのセットアップでも同じです。 逆に、適度な着崩しは「こなれ感」を漂わせます。世慣れた雰囲気も出るので、オフィスで軽く見られるのを避ける効果も期待できそうです。 最も手軽な着崩しはシャツの裾をボトムスにあふれさせる「シャツアウト」です。ただ、裾出しの作業そのものは簡単なのですが、分量感の見極めには要注意。ボトムスにかぶせたシャツ裾の面積が広すぎると、だらしなく見えてしまいます。 パンツとのバランスを整えやすいのは、ジャケットの着丈が少し長めのタイプ。パンツは裾に向かって軽く広がるセミフレアなので、広がったシャツ裾と景色がなじんでいます(編集部注:本文で紹介しているルックは「写真を見る」からご覧いただけます。以下同)。