現在、住民税非課税世帯に限られている、子ども医療費の現物給付方式について、鹿児島県は課税世帯の未就学児を対象に２０２５年４月から導入すると発表しました。 ただし、これですぐに全ての未就学児の医療費の窓口負担がゼロになるわけではないようです。 子ども医療費を巡っては、これまで住民税非課税世帯では、高校生まで窓口での負担がない現物給付方式、課税世帯では一度窓口で医療費を支払ってから、後日返還される自動償還払い方式となっていました。 しかし、未就学児で現物給付方式を採用していない都道府県は全国で鹿児島だけで、２０２３年５月には約７万２０００人分の署名が知事に提出されるなど、窓口負担ゼロの拡充を望む声が上がっていました。 これを受けて、課税世帯の未就学児を対象に新たに現物給付方式への移行を進めていた県は、２０２４年度中に準備作業が完了することが見込まれるとして、２０２５年４月から新制度を導入すると発表しました。 制度の対象となるのは、県内で約７万人とみられています。 ただし、新制度でもこれまでと変わらず、１人月３０００円までの自己負担があるため、窓口での支払いが不要となるのは、３０００円を超える額に限られるということです。 塩田知事 「現物給付ということにすると、３０００円という自己負担額があれば、（治療費が）いくらということを心配することもなく、医療を受診できることがひとつの大きな安心につながるだろう」 県は今後、制度の運用状況や財政への影響を見ながら、自己負担額の減額や対象年齢の拡充についても検討していくとしています。