出番がなかった選手たちの本音「誰もできないから」 それでも森保監督が招集する訳
菅原や長友らが鼓舞する森保ジャパン
森保一監督率いる日本代表は10月15日、ホームで行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選オーストラリア戦に臨み、1-1で引き分けた。正念場の10月シリーズを1勝1分で終えた森保ジャパン。過酷なサウジアラビアでの遠征や、長距離移動などタフな代表ウィークを陰で支えたのは出番がなかった選手たち。そこには指揮官の招集の狙いもあった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞) 【実際の映像】小野伸二が驚愕「何だ、今の」 日本代表MFの“異次元スルーパス” ◇ ◇ ◇ ホームのオーストラリア戦をドローで終えて、サウジアラビアのアウェーから始まった10月シリーズが終了した。結果は1勝1分。グループC内では2位オーストラリアと勝ち点5差のままで依然日本が独走状態だ。4戦を終えて無敗なのは最終予選の難しさからして上々だろう。この4戦を終えて悔しい思いをしている選手の1人がDF菅原由勢だ。 今シーズンからイングランド1部サウサンプトンに移籍して定位置を確保。プレミアリーグの週間ベストイレブンにも選出された。森保ジャパンの第2次政権になってから常連組となり、スタートから5試合連続で先発。ただ、今年のアジアカップではなかなかダイナミックな持ち味を発揮できず、悔しい思いを喫した。6月に3バックをスタートさせてからは1戦目のミャンマー戦こそ先発したものの、その後1分も出場時間を得られていない。 それでも、ピッチ上で声を出し、場を盛り上げてチームのために前向きな姿を見せ続けている。内心は複雑な胸中なはず。それを見せないのが菅原だ。 「僕がプレミアに行ったから代表に出られるっていう確約ももちろんないし、それがどこのクラブにいようが、そのときのパフォーマンスだったり、選手の調子だったり、もちろん森保監督も戦術がある中で、どういう選手をどう使って、というゲームプランを組み立てていくなかで、もちろん試合に出る、出ないという立場はありますけど、みんな凄くコンディションがいいし、試合に出たときに対するモチベーション、チームに貢献しようという気持ちだったり、自分自身の価値を証明しようという気持ちはもう誰1人も欠けていない。 出ている、出ていないというところはもちろん悔しさを持ってなきゃ、選手としては駄目だと思いますけど、日本代表としてここに来ているわけだし、試合に出るために……というのもあると思いますけど、まずは日本の選手みんなが一つにならないと簡単じゃないのはわかっているので。本当にみんなが日本の勝利のためにやっていると思います」