大泉洋が“見たことない殺陣”、長尾謙杜が“捨てられた子犬”からの成長…『室町無頼』迫力撮影の裏側
クライマックスの脚本は、入江監督が初稿の段階から「ここはワンカットでいきます」と書き込んでいたという。須藤プロデューサーは「見たことのないものにしたい」と意気込んでおり、じっくり数日かけて撮影が行われた。この日の撮影では、長尾演じる才蔵の見せ場でもある、花の御所を駆け抜けるシーンを撮影。才蔵は六尺棒を持ちながらワイヤーで吊られ、花の御所の塀の上という高所まで着地する。そのまま間髪入れず塀の上でのアクションに入らなければならず、何度も練習が繰り返された。高所でアクションを重ねながら前進していく姿は、後ろから観光客にも見えているが、まさかワイヤーで吊られているのが長尾だとは気づいていない様子。 長尾自身は今回の撮影について「初めてですね。アクションというとすごくカットを割るイメージがあったので、どうやって撮影するんだろうというのがまずありました。ワンカットですごい長尺でアクションを撮るので、動きの数も多くて、壁を登るワイヤーも大変でしたし、そこにさらに才蔵らしさを出すことだったり、いろいろなものを詰め込んでいくことになるので、すごく大変でした(笑)。普段はちょっと大変でも『いやいや、全然大丈夫でしたよ!』と言いますが、あれは心から大変でしたね」と語る。「これまでの作品の中で一番大変だったかもしれないです。高所から飛んだり、ワイヤー使ったり」と苦労を表している。
この日の撮影では大泉と長尾のシーンはなかったものの、須藤プロデューサーは「大泉さんはすごくフレンドリーというか、前から知ってるみたいな感じで接してくれているので、スクリーンに映らないところでも、長尾くんとの師弟関係をちゃんと作ってくれている」と明かす。長尾も「大泉さんも仰ってましたが、初日、殺陣のシーンからクランクインで。大泉さんが殺陣をしている姿を見て、『ああ、こんな感じで撮影するんだ』と思いましたし、その映像がすごくかっこよくて、『僕も頑張ろう』と勇気をもらえました」と、大泉の姿から学ぶところが多かったようだった。 (C)2025「室町無頼」製作委員会
佐々木なつみ