日韓両政府、円安とウォン安に「深刻な懸念」 投機筋を牽制
鈴木俊一財務相と韓国の崔相穆・経済副首相兼企画財政相は25日、韓国・ソウルで、財政・金融分野の課題について話し合う「日韓財務対話」を開いた。最近の急速な円安、ウォン安進行について「深刻な懸念」を共有し、機動的に政策対応を行うことで一致した。「為替レートの過度な変動に対し、適切な対応を取る」とも表明した。 25日の円相場は1ドル=159円台で推移。年初から対ドルで約13%下落した。政府・日銀による円買いドル売りの為替介入観測がある4月29日の160円台を目前に、市場では再介入への警戒感が高まっている。 ウォンも対ドルで値下がりが続く。財務省同行筋は「韓国でも、ウォン安による輸入物価の高騰が大きな政治課題になっている」と指摘する。 自国通貨安が国民生活に悪影響を及ぼす側面が目立っていることから、両国政府は投機筋による過剰な円売り、ウォン売りを抑制したい考え。4月の日米韓財務相会合の共同声明でも確認した円安・ウォン安への深刻な懸念を改めて表明し、引き続き緊密に連携する姿勢を打ち出した。 両政府はまた、昨年の財務対話で8年ぶりの再開を決めた通貨交換(スワップ)協定をはじめとする2国間の金融分野での協力について、議論を続けることでも合意した。軍事的な結びつきを強めるロシアと北朝鮮への経済制裁についても、税関当局間の情報交換を促進するなど、協力関係を深める方針を確認した。