レッドブル、フェルスタッペンの流出阻止へ。鍵となるヘルムート・マルコと2026年まで契約満了の覚え書き交わす
レッドブルは、モータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコと2026年までの現行契約を満了することを保証する文書を交わし、マックス・フェルスタッペン移籍の芽を摘みに動いた。 【リザルト】F1第13戦ハンガリーGP:予選 メルセデスは、ルイス・ハミルトンが来季フェラーリに移籍することを受け、その後任候補としてフェルスタッペン獲得を狙っているとシーズン開幕時から公言してきた。 メルセデスのトト・ウルフ代表は次のようにコメントしていた。 「彼を獲得したいのはやまやまだが、まずは我々のマシンを整える必要がある」 「これはマックスが決断する必要がある。彼をクルマに乗せるために”逆立ち”をしないチームはグリッドにいないだろう」 フェルスタッペンは現在、2028年末までの契約をレッドブルと結んでいるが、今年に入ってからフェルスタッペンが望むのであれば、より早い時期に移籍することを可能にするいくつかの契約解除条項が存在することが明らかになった。 その中にはパフォーマンスに関する目標も含まれていたが、レッドブルがコンストラクターズ選手権をリードし、フェルスタッペンが夏休みを前にドライバーズランキングで首位に立っている現状では、このような条項が発動されることはないだろう。 しかし、フェルスタッペンのマネジメントチームとマルコが昨冬、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーに知られることなく、フェルスタッペンの契約書に秘密条項を追加していた可能性が年明けに浮上した。 これはもしマルコがチームを去った場合、フェルスタッペンは契約を解除し、他のチームへ移籍することができるという内容だという。 このため、シーズン序盤にマルコのレッドブルでの将来が憶測の的になったとき、フェルスタッペン自身の立ち位置も疑問視された。 実際フェルスタッペンも、もしマルコがチームを去るのであれば、自分がチームに残ることはないだろうと繰り返し語っていた。 サウジアラビアGPでフェルスタッペンは次のように語った。 「彼なしでは続けられない。ヘルムートはチームにとっても、僕が続けるためにも、チームの将来にとっても、とても重要な存在なんだ」 メルセデスがフェルスタッペンの説得を全力で続けている中、motorsport.comの調べによるとレッドブルがマルコの将来に関する不安を取り除くため、マルコのポジションを固めに動いたことが明らかとなった。 情報筋によると、マルコは現在、2026年末までとなっているチームとの現行契約を満了することを保証する文書にサインしたという。これで事実上、フェルスタッペンの残留が保証されたことになる。 さらにフェルスタッペンからは、マルコが病気などチームの手に負えない事情で離脱することになっても、それを移籍の口実にはしないという基本的な合意もなされているようだ。 これによってフェルスタッペンは今後2年間、そしてチームが今のような状況を維持できればさらに長い期間、他のチームに移籍することができなくなる。 メルセデスはフェルスタッペン獲得の道が絶たれたことで、育成ドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリを起用するか、フェラーリ離脱が決まっているカルロス・サインツJr.のような経験豊富なドライバーを選ぶかの決断を迫られることになる。
Jonathan Noble