水野美紀、『パーセント』出演で感じたリアル「誰かの思いと信念がはっきり見えるドラマは初めて」
現在放送中の伊藤万理華主演・土曜ドラマ『パーセント』(NHK総合・BSP4K)。今回、長谷部由美役の水野美紀のインタビューが到着した。 【写真】水野美紀が演じる長谷部由美と伊藤万理華が演じる未来、ほか番組カット【3点】 ローカルテレビ局「Pテレ」のバラエティ班で多忙な日々を送る吉澤未来(伊藤万理華)。いつかドラマ班に異動したいと企画書を出し続けていた彼女は、ある日自身のドラマの企画が通ったことを告げられる。喜んだのもつかの間、部長からの「主人公を障害者ってことにできないか?」という提案のもと、“登場人物に多様性を持たせたドラマ”作りに奔走。 やがて彼女は車椅子に乗った高校生・宮島ハル(和合由依)に出会い、ドラマの出演をオファーをするが、ハルは「障害を利用されるんは嫌や」と拒否。諦めきれない未来は、ハルが所属する劇団「S」の稽古場を訪ねることになる。 今回、未来の企画を全面的に書き直すよう指示するなど、採択することになった新しい編成部長・長谷部由美を演じる水野美紀のインタビューが到着した。 * * * ──『パーセント』に出演することが決まったときのお気持ちは? 水野 このお話をいただいた時、プロデューサーさんから熱いメッセージをいただきまして。ドラマだけでなく、私の演じる役に対する思い入れも感じたので、とてもありがたく思い、すぐに出演を決めさせていただきました。台本が本当に、すっごく面白くて!ぐいぐい引き込まれました。ドラマを制作するプロデューサー目線で、ドラマの裏側を描くドラマって、意外と見たことがなくて。私も長くこの業界にいて、ドラマを作る0から1になる段階を、実は知らないんですよ。 ドラマの企画を1本通して立ち上げる時に、こんな苦労や思いをしながらやっているんだと、すごく新鮮でした。それにプラスして、障害者を扱うという思い切ったテーマがあって、さらに障害者を当事者の方が演じるというのは、今のこの多様性の時代だからこそできるものであり、意義があるものだと思いました。 きれいごとだけではなく、そうすることによって生まれるあつれきとか大変さとか、健常者と障害者、両者の苦悩を赤裸々に描いているんですよね。この作品の中にある人間ドラマが、プロデューサー奮闘記としての面白さと、デリケートなテーマを健常者・障害者の目線でどう持って行くんだろうというスリリングな面白さ、さらにその葛藤が描かれている面白さ、いろいろな面白い要素があると思いました。 ──長谷部を演じるうえで心掛けていることや役のみどころを教えてください。 水野 長谷部は、未来(伊藤万理華)が越えなければいけない壁として立ちはだかります。彼女もドラマの人というよりは、多角的な視点から考える立場の人なんだと思います。でも、新人を育てていこうとする立場でもあるので、私も結構、毅然とした態度で演じるようにしました。ダメなものはダメ、良いものは良い、時には主人公の未来を突き放すけど、それは単なる意地悪ではなく、根底には育てるための愛情があるということを意識しました。 このドラマは半分ドキュメントみたいな作品なので、実際に大変だったドラマづくりの経緯がリアルなところから描かれていて、制作するのはさぞかし大変だったと思うんです。こんなに、誰かの思いと信念を通して、その企画が通って作られていることがはっきり見えるドラマは初めてなので、私もすごく愛おしく感じて、「その思いに、ちゃんと応えなくちゃ!」って、むしろプレッシャーを感じながら演じていました。