奥能登の米作付け7割以下 政府、水路など応急復旧へ
政府は22日、能登半島地震の被害を受けた石川県輪島市など奥能登4市町で、2024年産の米の作付け見込み面積が23年産の6、7割にとどまる見通しを明らかにした。5、6月の田植えまでに水路などの応急復旧を行い1700~2000ヘクタールで作付けを見込むが、復旧のめどが立たない水田も少なくない。 【画像】被災前後の白米千枚田空撮画像 政府が同日、能登半島地震復旧・復興支援本部(本部長=岸田文雄首相)を首相官邸で開き、県北部の珠洲、輪島、能登、穴水の4市町での米の作付け見込み面積を示した。岸田首相は「作付け時期を見据えつつ、農地や水路などの応急復旧を早急に図る」よう関係閣僚に指示した。 作付け見込みは、同県のJAのとへの聞き取り調査を基に、農水省がまとめた。応急復旧中の水田も含むため、今後さらに面積が減る可能性もある。23年産米の作付面積は、4市町を合わせて2816ヘクタールだった。 国の名勝に指定されている輪島市の白米千枚田は、損傷が軽微な棚田に限り、24年産で作付けする方針だ。損傷が大きい棚田では、農地や水路の復旧を進め、25年5月の作付け再開を目指す。 一方、春の作付けが困難な水田や、大豆・ソバなどの畑作物に転換する割合も3、4割ある。同省は水田活用の直接支払交付金による転作助成や、政府の支援パッケージを活用した被災農家の就業機会の確保にも取り組む。 国が農地の地滑りなどの復旧事業を代行するため、4月に同県穴水町に同省の現地事務所を設置する。
日本農業新聞