渡辺謙、ディズニー作品初参加「久しぶりにオーディションを受けました」65歳の“サプライズ”誕生日祝いも
「ライオン・キング」シリーズ最新作「ライオン・キング:ムファサ」超実写吹替版“キロス”役発表イベントが10月21日に都内で開催され、キロス役の超実写吹替版声優を渡辺謙が務めることが発表された。これがディズニー作品初参加となる渡辺は、ロゴパネルの後ろから登場し「仰々しい出方で申し訳ありません(笑)。素晴らしい作品に参加させていただくことになりました。ぜひこの映画をたくさん世に広めていただければと思っております。よろしくお願いいたします」とあいさつした。また、イベント後半には主人公・ムファサ役の日本版声優である尾上右近も“サプライズで”駆け付け、この日が65歳の誕生日である渡辺を獅子舞とオリジナル誕生日ケーキで祝福した。 【写真】尾上右近からのサプライズでステージに現れた獅子舞の頭をナデナデする渡辺謙 ■「ライオン・キング:ムファサ」とは 映画「ライオン・キング:ムファサ」は、「ライオン・キング」の主人公・シンバの父・ムファサと、かつては“タカ”と呼ばれた“ヴィラン”の弟・スカーという“宿敵”として知られる彼らの、知られざる真実を描いた“はじまりの物語”。血のつながりを超えた“兄弟の絆”に隠された驚くべき秘密を、心を揺さぶる楽曲に乗せて超実写版で描く。 ディズニー作品はこれまでも家族で見ていたという渡辺は「レーザーディスクでほぼ全作持っていて、子どもたちに見せていました」とした上で、「もちろん素晴らしいエンターテインメント、素晴らしい楽曲、映像もあるんですけど、必ずそこに人生のアイロニーというか、無常観、何か底辺に流れる非常にヒューマニックなものがディズニー作品の魅力だと思っています」と、ディズニー作品の魅力を語る。 意外にもこれがディズニー作品初参加ということだが、その件に触れられると「ディズニー作品はただお呼びがかからなかっただけで(笑)。初めて呼んでいただけてうれしいなって」と打ち明け、「ディズニー作品は必ずオーディションがあって、本国とやりとりしないといけないんですけど、久しぶりにオーディションを受けまして、『おまえやっていいよ』って言われて(笑)。やらせていただきました」と、ちゃめっ気たっぷりに出演の経緯を話した。 渡辺が声を担当するキロスは、ムファサとタカを追い詰める“冷酷な敵ライオン”ということで、ヴィランの位置づけにはなっているが「どういうふうに捉えたらいいのか、僕の中でも戸惑いがあったんです。正義と悪という形できちんと色分けしたほうがエンターテインメントの映画としてはいいのかなって思ったら、そこはマッツ・ミケルセン(本国版キャスト)は非常に微妙なところを狙ってやられていたんですよ。ただの悪役というのではなくて、彼(キロス)が守ろうとしているものに対してぶつかってきたものをはねかえしていく。そういう役を作ろうと思いました」と、単なる“悪役”ではないという意識も念頭に置いて役作りしたことを伝えた。 ■尾上右近が“サプライズで”登場 超実写吹替版で主人公・ムファサを演じるのが尾上右近で、タカを松田元太が演じることは既に発表されているが、2人の印象を聞かれた渡辺は「ムファサにはちょっと裏で会ったんですけど…(笑)。他のメンバーとは全然すれ違っていないので、たぶん仕上げを見るか他のプロモーションでお目にかかるか、かなと…」と、この後サプライズゲストとして登場する右近と舞台裏でバッタリ会ってしまったことを告白。 そして渡辺の65歳の誕生日を祝うべく右近がステージに登壇すると、渡辺は「ごめん!先に言っちゃった」と苦笑いしながら謝罪し、右近は「一応サプライズですから!」と笑い、「あらためまして、謙さんお誕生日おめでとうございます!サプライズで登場させていただきました!」と“サプライズ”を強調しながら祝福した。 あらためて、右近から2頭の白い獅子舞による演舞とオリジナル誕生日ケーキのプレゼントが贈られると、渡辺は迫力満点の演舞に感激し、大きなケーキにもちょっぴり照れくさそうに喜んでいた。 「ライオン・キング:ムファサ」は、12月20日(金)に公開される。なお、超実写版「ライオン・キング」(2019年)はディズニープラスで配信中。 ◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)