離れて暮らす父が死亡。8月に振り込まれる「年金」を、娘の私は受け取れますか? 別居ですが「仕送り」はしていました
現代は核家族化が進み、就職先や結婚後の転居の関係などから親と同居していない家族も多く存在します。家族のうち年金を受給している人が亡くなった場合、亡くなる月まで支給されるはずだった年金は「同居」の家族が受け取ることができます。 しかし、離れて暮らす親が亡くなった場合はどうなるのでしょうか。本記事では、年金受給者が亡くなった後に家族が受け取ることのできる「未支給年金」と、その受け取り対象者について解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
本来もらえるはずだった年金である「未支給年金」
年金は、基本的に2ヶ月分をまとめて「後払い」となっています。例えば、4・5月分の年金は6月に振り込まれるというように、偶数月に前月と前々月の年金を合算して支給されるのです。 また、年金は受給者が生存している月単位で支給されます。もしも7月10日に受給者が亡くなった場合、7月分の年金までは受給者に支給される予定だったのに未支給となってしまいます。このように本来亡くなった受給者が受け取るはずだった年金のことを「未支給年金」といいます。
未支給年金を請求できる人
未支給年金は「家族」だからといって誰でも受け取れるわけではありません。未支給年金を受け取ることができるのは「生計を一にしていた家族」で、優先順位は受給者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族という順番です。この条件に当てはまらない人は未支給年金を受け取ることができません。
「生計を一にしている」とは
「生計を一にしている」とはどういう状態なのでしょうか。まず思い浮かぶのが「同居」しているケースでしょう。この場合は家族内で扶養したり生活費を折半したりするなど「生計を一にしている」状態に当然あてはまります。 ただし、「生計を一にしている」とは必ずしも同居を必須とはしていません。仕事や学業、療養といった都合で受給者と同居をしていなくても、次のような場合は「生計を一にしている」とみなされます。 ・当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合 ・これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合 つまり、今回のケースのように親と同居していなくても、定期的な生活費や学費、介護費の仕送りがあったり、毎週末に泊まりがけで親の介護や通院の付き添いをしたりしているといった場合には、別居していても「生計を一にしている」と認められる、ということです。 なお、請求可能な金額については、受給者の死亡した月が偶数月であれば1ヶ月分、奇数月であれば2ヶ月分となります。