すでに40代ですが、月2万円から「NISA」を始めても遅くないでしょうか?
働き盛りの40代、とはいえ人によってはそろそろ老後も視野に入ってくる頃です。中には、2024年から始まったことも相まって、これからNISA(以下新NISAとします)を始めようと考えている方もいます。 そこで、老後資金のために40代から新NISAを始め、月2万円投資をすることについて考えていきます。
新NISAの概要
まずは、新NISAの概要から確認していきます。新NISAとは2024年から始まった制度です。専用の証券口座を開設して取引することで、投資信託や株式などへの投資額が元本換算で累計1800万円分まで、本来なら利益にかかるおよそ20%の税金が非課税になります。 そして、投資信託などを通じて投資を行うことで、資本主義社会の成長に応じて、自身も資本を増やしていくことができます。例えば、金融機関によっても異なりますが、一般的な定期預金で、0.1%を超える金利を得るのは、そう簡単ではありません。 しかし、新NISAを通じて、投資信託で全世界の株式を対象とした資産運用を行えば、年利17%を超える利益を得ることもできます(2024年1月12日現在の「全世界株式インデックス・ファンド」過去5年間のデータにて試算)。 投資による資産運用は、いわゆる不労所得としての魅力だけではなく「利益が元本になり、さらに大きな利益を生む」という魅力もあります。 参考までに、40代から毎月2万円を20年間、年利5%で運用すると、元本480万円に対して利益は331万6090円で合計811万6090円と、相当な額の老後資金を用意することができます(初期投資額と想定リスクは0として、三菱UFJアセットマネジメントの「つみたて投資シミュレーション」で簡易的に試算)。 新NISAは、老後資金を資産形成で作っていくのに、まさにうってつけの制度というわけです。
リスクには十分注意が必要
新NISAを始めるに当たり、リスク(ここでは自身の保有資産が目減りすることとします)の存在は無視できません。新NISAはあくまでも投資であり、定期預金や普通預金と異なって、短期的には元本割れをすることがあるのです。 参考までに「全世界株式インデックス・ファンド」について、2018年1月から2022年12月までの過去5年間を振り返ってみると、一時的ではありますが、最大で50.28%も下落している時期も見受けられます。 5年間の年利が17%を超える大きなリターンとなっているとはいえ、一時的には50%以上も下落する可能性もあるという、大きなリスクも潜んでいるわけです。 つまり、新NISAを開始するのであれば、世界恐慌など景気の悪化する場面でも焦らず「いつか景気は戻る」と根気強く我慢できる金額で、長期間続けることが重要になります。 その点を踏まえると、40代から月2万円の範囲で始めるのは、非常に堅実であるといえます。もし、2万円でも高いと感じるのであれば、まずは月1万円から様子を見ていくのもいいでしょう。 40代であれば、老後まで20年ほどあります。仮に途中で暴落が起きても、老後までに資産額が回復することは十分期待できます。リスク面を踏まえても、40代から始めてもまだ遅くはないと考えられます。