ソロプロジェクトを始動させた泉大智、ツアーで届けた思い「どうかピュアに生きてほしい」
今年に入りソロプロジェクトを始動
DISH//のドラマーとして活動する泉大智が10月30日、東京キネマ倶楽部でソロプロジェクトとして「泉大智 Live House Tour 2024」追加公演を開催した。ENCOUNTでは、生命力に満ちあふれた熱狂のツアーファイナルをレポートする。 【写真】熱狂的なパフォーマンスを披露 ライブ別カット 泉は、楽曲制作、映像・アートワークのプロデュースも手掛けるなどマルチな活動を展開し、今年に入りソロプロジェクトを始動。本ツアーは、9月20日の福岡LIVE HOUSE OP’sで開幕し、愛知、大阪、宮城をまわり、10月18日の東京公演で千秋楽を迎えると、全公演チケット即完売を受けて追加公演となる東京キネマ倶楽部公演が決定した。 場内が暗転して開演の時間を迎え、ロックなコートに身を包んだ泉がステージに立つ。割れんばかりの歓声とともに、ついにツアーファイナルがスタート。泉があいさつ代わりにギターの音色を奏で、バンドメンバーであるギターの中田海都、ベースの寺坂尚呂己、ドラムの武亮介と熱いセッションを繰り広げると、呼応するかのように観客も熱を帯びていった。 オープニングナンバーは、『nerve impulse』。ヘヴィなオルタナサウンドが会場を包み込み、音楽への衝動をストレートにぶつけていく泉。ギターボーカルとしての存在感が際立ち、いきなり超満員の会場全体を魅了した。 2曲目の『Deep Meditation』は、ロックなサウンドにメッセージ性のあるラップの歌詞が胸に突き刺さる楽曲で、泉大智ワールド全開のナンバー。3曲目に披露した新曲『Today』はミディアムバラードとなっており、真っ直ぐな思いをファンに届けた。 MCでは、ツアーファイナルを迎えられた感謝を伝えると、涙を流す観客を見つけて「泣いてるやん!」と笑顔。「9月からツアーがスタートして約2か月、合計6本まわってきた。最高の状態でこのステージに立てている。今日はぶちかましていきます」と宣言した。 MCを終えると、USインディーを感じさせるサウンドが印象的な『MIRROR』、新曲『逃避行』と続き、泉自身にとっても思い入れがある楽曲という『wandering』をアコースティックギターで弾き語り。やさしい歌声が響き渡り、ファンも静かに聴き入ると、ステージ上のバックライトとスモークで幻想的な世界が作り上げられた。 後半戦は新曲が並び、『Long Time』、『chelsea hotel』、『涅槃』、『PUNK!!!!』とジャンルにとらわれない楽曲陣を立て続けに披露。本編のラストナンバー披露前、「最後に演る曲は、大人になることを決意した誰かの歌。社会に出ると、大人にならなきゃいけない瞬間がある。働いて金を稼いで、その中で魂を売らなきゃいけない瞬間が出てきたりもする。よく『いつまでも子どもじゃいられない』と言う人がいるけど、それは寂しい言葉だと思っていて、ならざるを得ない瞬間もあるけど、どうかピュアに生きてほしい」と思いを吐露し、「綺麗ごとに聞こえてしまうかもしれないけど、そういう気持ちでこのプロジェクトを始動させました。僕は自分の音楽を通してこの思いを伝えていきたいです」と語りかけた。 そして、ツアーを一緒に走り続けたファン、バンドメンバー、スタッフへの感謝の思いとともに、等身大の気持ちを送るメッセージソング『晩夏』を熱唱。泉のピュアな思い、覚悟と信念が壮大でクールなサウンドに乗せて届けられ、会場が幸せな空気に包まれツアーファイナルのエンディングを迎えた。 しかし、泉がステージから姿を消しても拍手が鳴りやまず、泉はコートを脱いでバンドメンバーと再登場。「さすがにファイナルなんでアンコールやります」とファンをあおると、オープニングで披露した『nerve impulse』を会場を熱気が包むなか3回連続で披露し、完全燃焼へ。客席まで下りてギターを激しく掻き鳴らし、ファンとツアー完走の喜びを分かち合った。ソロプロジェクトで新たな可能性を示した泉は、今後どのような景色を見せてくれるのか。希望と期待が膨らむツアーファイナルだった。
ENCOUNT編集部