S&P500低迷を予測したゴールドマン・サックスが注目する4つのチャート(海外)
株式市場は今後10年間、収益が低迷する見通しだという。 S&P500の年平均リターンが今後10年間で3%に低下する可能性があるとゴールドマン・サックスは予測している。 【全画像をみる】S&P500低迷を予測したゴールドマン・サックスが注目する4つのチャート S&P500の長期間の好調に終止符が打たれるかどうか、ゴールドマン・サックスが注目しているデータをいくつか紹介する。 ゴールドマン・サックスは2024年10月、株式市場のベンチマーク指数が今後10年間にわたって低いリターンに留まる見込みであると予測した。 同行は、経済の弱体化、市場の集中度の高さ、国債利回りの不利な背景などのさまざまな要因が重なり、今後10年間、S&P500指数の上昇率は低迷すると予想していると述べた。 こうした逆風により、このベンチマーク指数の今後10年間のリターンは名目年率でわずか3%にとどまる可能性があると同行のストラテジストは指摘しており、過去10年間のS&P500種株価指数の平均年率13%から低下するという。 ここでは、ゴールドマン・サックスがS&P 500の株式の黄金時代が終わりつつあると見ている中で、同行が注目する4つのチャートを紹介する。
1. 売上高の成長を持続しているS&P500企業はわずか
S&P500種構成企業のうち、高い売上成長率を維持する企業の割合は少ない。 ゴールドマン・サックスが1985年まで遡って企業収益を分析したところ、10年間で10%以上の売上高成長を維持した企業の割合は11%、10年間で20%以上の売上高の成長を維持した企業の割合は3%だった。
2. 過去100年で最高レベルのS&P500の市場集中度
S&P500の最大銘柄の時価総額は、同指数の75パーセンタイル銘柄の時価総額の700倍を超えている。これは過去約100年間で最高の倍率であり、このベンチマーク指数が高度に集中していることを示している。 市場の集中度が高まると、通常次の10年間のS&P 500のリターンは悪化する傾向がある(不況期は除く)。
3. S&P 500は相対的にパフォーマンスが低下している
ラッセル1000(Russell 1000)、ビットコイン、ゴールド(金)などの他の資産、指数、特定の分野に比べて、2024年初めからのS&P 500のトータルリターンは低い水準となっている。 一方で、S&P500のトータルリターンは大型株のS&P500均等ウエート指数(SPW)や中型株指数であるS&P400に長年遅れを取っている。 ストラテジストは、「投資家は、現在の状況が今後の好業績につながると考えられる他の指数への配分を増やすことを検討すべきだ」と述べ、特にS&P500均等ウエート指数と中型株のS&P400指数が注目に値すると示した。
Jennifer Sor