ロス山火事、一部で拡大抑制も鎮火に至らず 再び強風予報も
Jorge Garcia [ロサンゼルス 9日 ロイター] - 米カリフォルニア州ロサンゼルスを東西から襲う2つの大規模な山火事は発生から3日目となる9日夜、これまでの強風が弱まったことで一部で拡大が抑制されつつあるが、なお鎮火には至っていない。 市西部のサンタモニカとマリブのビーチタウンに挟まれ、映画、テレビ、音楽のスターが暮らすパシフィックパリセーズ地区と東部のイートン地区ではこれまでに約137平方キロが焼失し、1万戸近い住宅や建物が焼き払われた。ロサンゼルス史上最悪の自然災害となっている。 当局者によると、これまでに少なくとも7人が死亡。死者数は今後増加するとみられている。約18万人に避難命令、20万人に避難警報が出ている。 ロサンゼルス郡消防当局は、火の勢いがイートン地区では大幅に食い止められたが、鎮火率はなおゼロだと述べた。猛烈な風はやや弱まり、空からの消火作業が可能となっているが、予報では再び風が強まる恐れがあるという。 バイデン大統領はこの日、連邦政府が山火事の対応費用を180日間にわたり100%負担すると表明した。 気象予報会社アキュウェザーは、被害額と経済損失額を1350億─1500億ドルと見積もっている。 一方、消防当局は9日夜、著名な観光地のチャイニーズ・シアターやハリウッド・ウォーク・オブ・フェームがあるハリウッド地区とハリウッドヒルズ地区で発生した火事を抑え込んだ。 ロサンゼルスのカレン・バス市長は同日正午ごろ、同地区の火災は鎮火したと発表。当局によると、現場で全焼した建物はなく、避難命令も解除された。 多くのセレブも避難を余儀なくされている。俳優でコメディアンのビリー・クリスタルさんは、パシフィックパリセーズ地区の自宅が焼失したと明らかにした。タレントのパリス・ヒルトンさんも、マリブの海辺にある自宅が「生放送で全焼するのを見た後、言葉にならないほど心が痛んだ」と語った。 また、俳優のジェイミー・リー・カーティスさんは家族で救援活動に100万ドルを寄付すると発表した。 このほか、米プロバスケットボール協会(NBA)は、ロサンゼルスで9日に予定されていたレーカーズとホーネッツの試合を延期すると発表した。ESPNによると、レーカーズのヘッドコーチを務めるJJ・レディック氏も、火災でパシフィックパリセーズ地区の自宅を失ったという。 トランプ次期大統領は9日、いずれも民主党のバス市長とニューサム州知事の山火事への対応を巡り「無能極まりない」と投稿し、同州の水資源管理などを批判した。