最後のエラブオオコウモリ「モン」死ぬ 国内唯一の飼育生体、平川動物公園
鹿児島市の平川動物公園は16日、飼育していたエラブオオコウモリの雄「モン」が13日に老衰のため死んだと発表した。29歳2カ月だった。同園は国内で唯一エラブオオコウモリを飼育しており、最後の1匹だった。これに伴い国内での飼育数はゼロとなった。 【写真】〈関連〉人里近くのワシントンヤシにとまるエラブオオコウモリ=5月21日午後8時半ごろ、鹿児島県屋久島町口永良部島
モンは1995年に同園で生まれた。園によると、7月20日ごろから食欲低下が見られ、13日朝、飼育員が死んでいるのを確認した。 エラブオオコウモリは国指定天然記念物で、口永良部島やトカラ列島に分布する固有種。生息数は200匹以下と推測されている。同園では昨年6月にも、雄の「ブン」が29歳2カ月で死んでいる。 桜井普子飼育展示課長は「貴重な固有種で残念だが、兄のブンと同じぐらい長生きしてくれた」と話した。野生のコウモリの平均寿命は10年~15年とされる。
南日本新聞 | 鹿児島