【佐賀競馬】夏の大一番はハンデと台風で“荒れ”模様? 地方馬台頭にも期待かかる一戦
佐賀競馬の夏の一大レース・サマーチャンピオンJpnIII(ダート1400m、ハンデ)が9月1日に行われる。今年は台風10号の影響により、当初の開催日である8月29日から変更となった。 【写真】テイエムトッキュウこれまでの軌跡 さて、サマーチャンピオンはハンデ戦とあって、実績馬がその通りの結果を残せないこともあり、レース妙味を引き出している。過去10年では地方馬の勝利や上位入着もあり、特に今年はメンバー的にも好走が期待できそう。有力馬を見ていこう。 テイエムトッキュウはカペラSで逃げ切り勝ちを決めたように、豊富なスピードのある馬。芝1200mで3勝を挙げ、3勝クラスで初めてダートを試すと、いきなり勝利。ダート1200mでは6戦3勝、2着と3着が各1回で、掲示板を外したことはない。スタートの1歩目から速く、おそらくこの馬が逃げるだろう。ポイントは1400mに距離が延びることと、初のコーナー4回。もし、台風の影響で不良馬場になるようなら、距離延長でもスピードが衰えることなく押し切れる可能性もある。 タイガーインディ(兵庫)は今年3月の高知・黒船賞JpnIIIで3着の実績馬。その後、地方馬同士の重賞2戦でも速いタイムで勝っており、サマーチャンピオンでも好勝負が期待できる。元はJRAでオープンクラスを走っており、兵庫移籍直後は繋靭帯炎の影響で長めの距離を使われたが、脚元の不安が解消されたことから1400mへシフト。「昨年の夏も脚元以外はすごく状態が良くて、夏に調子を上げるタイプ」と保利良平調教師。廣瀬航騎手も「状態はいいし、結果を残したいですね」と話す。繊細な面があり、輸送で馬体重が減るタイプのため、ここ3走は馬体重の増減が大きく、今回もどうなるか。 メイショウテンスイは前走、逃げて3年9カ月ぶりの勝利を挙げた。2走前は最初のコーナーまでが長い京都ダート1400mコースを存分に生かして内枠から何とか先手を取ると、直線も粘って3着と、ここ2走で好調の兆しを見せている。今回はスタートの速いテイエムトッキュウがいること、またサンライズホークやラプタスも先手を主張する可能性があり、2番手以降から運んだ場合にどうか。 昨年覇者のサンライズホークはブリンカー効果で重賞3連勝を果たしたが、近走は本来の走りにあらず。気性が難しい馬で、走る気になることに加え、理想は逃げだろう。ハンデ59kgでスタートダッシュにどのくらい影響するか。 ラプタスも60kgのハンデが鍵。レース史上初の重たいハンデだが、同馬自身は前走で60.5kgを背負っている。重賞を多く勝っているため、どのレースに出ても斤量を背負わされてしまい陣営も悩ましいようだが、「8歳でも衰えは感じなくて、見ていてバネが利いた馬だなと感じます」と今春から管理する渡辺薫彦調教師。 好走例の多い4歳馬・コパノパサディナ、距離短縮のアラジンバローズ(兵庫)、また不良馬場になると軽ハンデの差し馬が届くケースもあり、52kgのホウオウスクラム(高知)も面白そうだ。 サマーチャンピオンは9月1日佐賀6レース、17時25分発走予定。 (文・大恵陽子)