台風10号「特別警報級」に成長の恐れ 九州南部の水温高く勢力弱める要素なし 木もなぎ倒す最大瞬間風速39.6メートルを記録した22年の台風14号と同等か
非常に強い勢力となった台風10号はさらに発達を続け、28日には中心気圧が935ヘクトパスカルになると予想される。鹿児島地方気象台は、特別警報級の台風になる可能性もあるとして厳重な警戒を呼びかけている。 【写真】台風10号「特別警報級」に成長の恐れ 九州南部の水温高く勢力弱める要素なし 木もなぎ倒す最大瞬間風速39.6メートルを記録した22年の台風14号と同等か
鹿児島県で初めて特別警報が発表された2022年の台風14号は、指宿市を通過した時点で中心気圧935ヘクトパスカルだった。霧島市牧之原で最大風速22.8メートル、最大瞬間風速39.6メートルなど観測史上1位を更新した。台風の東側で猛烈な雨が降り、総雨量は錦江町田代で465.5ミリ、鹿屋市吉ケ別府で433ミリを記録した。 今回の台風10号は、太平洋高気圧の西への張り出しが強まったため進路が西側にずれ、高気圧のへりをゆっくりと進む形となった。28日も時速10キロ以下のゆっくりとした速さで奄美大島の北を北上するとみられる。 気象台によると、九州南部付近の海上は水温が30度以上の高い状態。山下一実主任予報官は「勢力を弱める要素がなく、発達するか、維持したまま北上する」と台風10号が特別警報級の強さで県本土に接近する可能性も指摘する。 山下主任予報官は「九州の西側を進んだ場合、太平洋側を中心に雨量が多くなり、広範囲で土砂災害の危険度が高まる」と指摘。風速30メートルを超えると木が倒れる強さだとして「倒木による停電に備え、不要不急の外出を控え、明るいうちの避難を心がけてほしい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島