デジタル化 が進む社会で、アナログへの「憧れ」 に注目するブランドたち
「少なさ」を味方に
つまりこれは「レス イズ モア(Less is More、少ない方が豊かであるの意)」の姿勢であり、その対極にある広範なデジタルマーケティングは、ブランドの目的を過度に希薄にしてしまう可能性がある。 「ソーシャルメディア自体は極めて分断された市場だ」と同氏は指摘する。「『Clubhouse(クラブハウス)戦略はどうなっているのか?』、『Threads(スレッズ)では何をすればいい?』といったことばかりに頭を悩ませているせいで、これまで多くのブランドが痛い目にあってきた」。 多くの場合、ブランドのマーケティングおよびソーシャルチームは複数のプラットフォームへの投稿を担当し、ローカルとグローバル双方の市場を股にかける戦略の考案という重責を担っている。そのため、その能力に見合うだけのアウトプットができないこともしばしばであり、彼らの目は現在、少しずつ、より考え抜かれた、つまりより価値のあるマーケティング戦略へと向きつつある。 「たとえば、シンガーソングライターでファッションモデルのデュア・リパがWhatsApp(ワッツアップ)を介して読書会を開いたり、同じくシンガーソングライターのチャーリーXCXがスーパーファンだけのための非公開インスタグラムを持ち、そこを実質プライベートな会話をする場にしていたり。こうした例はブランドが見習うべきマーケティングモデルにほかならない」とシモンズ氏は話す。 [原文:Why brands are taking a less-is-more approach to marketing] ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:SI Japan、編集:都築成果)
編集部