注目集める阪神・岡田監督のコーチ発言 球界OBが指摘した”気になるポイント”とは
昨年の日本一チーム、阪神が7月に入って4勝2敗と持ち直してきている。 一方、6月は厳しい戦いが続いた。9勝12敗1分けとなかなか勝ち星が奪えない中、岡田彰布監督が担当コーチの動きを厳しく指摘する場面もあった。 【動画】佐藤輝明が2試合連続で決勝アーチを放ったシーン 発言が注目されたのは大逆転負けを食らった6月30日のヤクルト戦(神宮)の試合後のこと。当日は5-1でリードした8回裏に中継ぎも打ち込まれ、4点差をひっくり返された。 1点を追う9回二死一塁の好機に、佐藤輝明はレフトフェンス直撃の二塁打をマーク、一走は俊足の植田海だっただけに三塁コーチャーの藤本内野守備走塁コーチは腕を回したが、結果として本塁アウトとなり得点を奪えなかった。 試合後、岡田監督はこの判断に関して「何でも行けやないやろ」と疑問を呈した。同コーチの判断に関しては6月18日の日本ハム戦で原口文仁のライトファウルフライで三塁走者の森下翔太にタッチアップをさせなかったことで消極的だと断じる場面もあった。 岡田監督のコーチへの発言に関しては球界内からも様々な考察の声が上がっている。 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は7月7日までに自身のYouTubeチャンネルに「【月間監督総評】広島は新井監督の手腕が試される!中継ぎを放牧が必要な時期か?中日立浪監督"ある程度のこれ位と信用""岡田監督"コーチの連携の責任は監督!豊の視点で6月月間監督総評をぶった斬る!!」と題した動画を更新。独自の視点で6月の各監督の戦いぶりに考察を加えている。 まず首位の広島に関してはベテラン捕手の会沢翼の起用法をたたえながら、中継ぎ陣に関して「疲れが見え始めている」として島内颯太郎、栗林良吏の状態を危惧する場面も。ここからオールスターブレイクまでどのように選手のコンディション管理を行っていくかが注目とした。 また阪神に関しては中継ぎエースの桐敷拓馬に疲れが見えるとした。岡田監督も桐敷には「絶対的な信用がある」としながらも中継ぎ運用に関して、一考も必要とした。 一方、岡田監督の苦境を思いやる場面も。6月は主砲の大山悠輔を降格させたり、一時4番に近本光司を起用するなど、様々な策で上昇気流をつかもうとしたが、もどかしい時間が続いた。高木氏も厳しい局面としながら、「数字を持っている選手が多いからそれを信じるしかないのかな」と、阪神においては各選手のこれまで積み上げてきた実績があることで巻き返しに期待した。 そして岡田監督のコーチ発言に関しては「色々言ったら、コーチ陣の動きが制約されて、今度は思い切ったことができなくなる」という悪循環に陥る可能性も指摘。 6月30日の試合では、カバーした、ヤクルト並木秀尊、長岡秀樹の守備力が優れていたことで「相手を認めるしかない」とした。 続けて「これを責任問題にしたら、三塁コーチはできなくなる」「怖くなるし(腕を)回せなくなってきたら、サードコーチャーとして終わるから」と言及。藤本コーチの立場を尊重する場面もあった。 その上で同氏は厳しい言葉を投げかける岡田監督の胸の内も推測。 「最後に俺が(責任)とるから、それまで(コーチ陣も)一生懸命やってくれみたいな心境だったんじゃないの」とコメント。あくまで最終的な責任は自分が負う中で、勝利を目指すための方策だったと見る。今季はなかなか上向かないチーム状況の中、選手への直接指導など指揮官が前面に立って動く場面も増えている。 動画内では他球団の監督の戦いぶりについても言及している。 これからし烈さを増すペナントレースにおいて、各指揮官がどんな言葉や采配でチームを鼓舞していくのか。今後も注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]