1日2~4杯飲めば幸せホルモンが増え、うつ病のリスクが低下…ハーバード大が効果を実証した身近な飲み物
■気分をすっきりとさせ腸も元気にするコーヒー ---------- Q:コーヒーを毎日飲んでもいいですか? →お答えしましょう! 1日2~4杯のコーヒーは自律神経の安定にもプラス。ホットで楽しみましょう。 ---------- コーヒーを飲みながらひと休み――。そんなひとときに安らぎを感じる人も多いのではないでしょうか。 毎日のコーヒーが習慣になると「カフェインの摂りすぎかな……」「体にはよくないかも」と心配になるかもしれません。しかしコーヒーには、じつは自律神経の安定にプラスに働く要素が数多くあるのです。 その代表的なものがカフェイン。カフェインは交感神経を活性化し、気分をすっきりとさせてくれます。眠気覚ましにコーヒーを飲むのも理にかなっているわけです。 また、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸には、抗酸化作用や末梢(まっしょう)血管を拡張させる作用があり、血流を促進してくれる効果があります。 加えて、コーヒーを飲むと大腸のぜん動運動の刺激になり、便秘の解消や腸内環境の改善にもつながるのです。 ■幸せホルモンの分泌量も増える コーヒーには、もうひとつ大きな利点があります。それは、腸壁でつくられるセロトニンやドーパミンといった、いわゆる“幸せホルモン”の分泌量が増えることです。 これはハーバード大学の研究でも実証されています。コーヒーを日頃から愛飲する人にはうつ病患者が少なく、成人で1日2~4杯飲む人は、男女ともに自殺のリスクが半減するという報告もあるのです。 飲むときには、アイスよりも腸を温めるホットがおすすめ。1日2~4杯までを目安に、自分好みのおいしいコーヒーでホッとひと息つきましょう。 コーヒーに健康効果があるといっても、飲みすぎはよくありません。カフェインの摂りすぎは自律神経のバランスを乱す可能性があります。また、良質な睡眠を得るためにも、寝る3時間前には飲むのを控えましょう。 ---------- 仕事の合間に飲むとリラックスできるコーヒー。適量のコーヒーは交感神経を安定させ、腸内環境の改善などにも役立つ。 飲みすぎや就寝前の摂取には注意! 自律神経を乱すリスクも ---------- ---------- 小林 弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授 1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。 ----------
順天堂大学医学部教授 小林 弘幸