今季はあと1ヵ月! 津軽鉄道「ストーブ列車」でいただく駅弁とは?
【ライター望月の駅弁膝栗毛】 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。 【写真全10枚】ストーブ酒とスルメイカ
3月に入って、春の足音が聞こえてくるころです。この冬は、平日限定の格安フリーきっぷ「旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス」が発売されていることもあり、平日でも、北東北へ向かう新幹線は、なかなかの混み具合のようです。平日でも楽しめる今だけの列車といえば、津軽鉄道の「ストーブ列車」。車内販売でお酒をいただくのが定番の過ごし方ではありますが、じつは予約制の“駅弁”もあるんです。
青森・津軽の冬の風物詩、津軽鉄道のストーブ列車。津軽鉄道はJR五能線と接続する津軽五所川原駅と津軽中里駅の間・20.7kmを結ぶ、日本最北の民間鉄道です。とくに毎年12月1日~翌年3月31日まで運行される「ストーブ列車」は、昔ながらの客車にだるまストーブが設けられていることで有名。冬の津軽の大事な観光資源となっており、団体のツアーに組み込まれて利用する方も少なくありません。
津軽鉄道は、昭和5(1930)年7月15日に津軽五所川原~金木間が開業。その年の11月13日には全線開業し、翌月12月から「ストーブ列車」を運行開始したといいます。じつは1世紀近い歴史がある列車なんですね。いまではすっかり「観光列車」としての役割が大きくなり、アテンダントの方による車内販売も行われています。やっぱり買い求めるなら、オリジナルの「ストーブ酒」とスルメイカがお薦めですね。
イカはだるまストーブの上に載せ、炙っていただくのが定番。窓の外の地吹雪を眺めて、ストーブ酒と炙ったイカでちびちびやりながら、のんびりとした時間を過ごすのが、ストーブ列車の旅の醍醐味というものです。ストーブ列車は、3月31日まで1日3往復運行され。乗車券に加えて、ストーブ列車券(500円)が必要。津軽鉄道では昔ながらの硬いきっぷ(硬券)が使われており、きっぷを買うところから、ノスタルジックな気分が楽しめます。