今季はあと1ヵ月! 津軽鉄道「ストーブ列車」でいただく駅弁とは?
じつは津軽鉄道では、季節ごとの駅弁を販売しています。毎年12~3月の間は、ストーブ列車の運行に合わせた「ストーブ弁当」(1400円)。掛け紙には列車のシンボル、石炭のだるまストーブが描かれており、郷愁を誘う作りとなっています。この弁当は、写真集等で付き合いのあった大手出版社が企画を発案して生まれたものだそうで、平成19(2007)年9月22日に、津軽鉄道を応援する皆さんのイベントで発表されたといいます。
【おしながき】 ・おにぎり(若生、梅) ・ほたての黄金焼き ・紅鮭焼き ・海老の干し餅風あられ揚げ ・海老と魚のすり身の蓮根はさみ揚げ ・肉巻きごぼう ・里芋の石炭風黒ごま揚げ ・いかの酢の物 ・ねぶた漬け ・赤かぶ漬け (ご協力:製造元「神家」、時期によって変わることがあります)
ふたを開ければ、太宰の好物だった若生のおにぎりをはじめ、津軽の郷土料理・干し餅をイメージした海老のあられ揚げ、石炭ストーブにちなんだ里芋の黒ごま揚げなど、津軽の郷土料理をストーブ列車にアレンジしたおかずが満載です。この「ストーブ弁当」は、原則2個からの予約制で、乗車3日前までに、津軽鉄道本社、津軽五所川原駅、金木駅のいずれかへ電話で注文。当日の受け取りは、午前11時~午後2時の間となります。
平日のローカル線を訪ねると、その鉄道が普段どのように利用されているかが見えます。津軽鉄道本社のある青森・五所川原では、昨年末「地域鉄道の高付加価値フォーラム」が開催されました。地元の高校生や津軽鉄道サポーターズクラブの皆さんをはじめ、全国の地域鉄道に携わる方々などが参加。昨年10月に施行された改正地域交通再生法のポイントを踏まえ、すでに各地で行われている活性化の取り組みについても、情報を共有しながら、今後のローカル線のあり方について議論が交わされました。
津軽鉄道の列車内には、「津軽鉄道はまだ大丈夫、そう思っていませんか?」という少し刺激的な見出しのポスターが貼られています。こちらはコロナ禍のときに作られた厳しい経営状況であることを伝えるものでしたが、このメッセージは津軽鉄道だけでなく、全国の地域鉄道に突き付けられている課題であると感じます。JR線・私鉄・第3セクター、どの経営形態であっても、自分が住むまち、またはふるさとのまちを走る鉄道について、普段、鉄道を使う人も使わない人も、“自分のこと”として考えられるかどうか、私たち自身がいま、試されているようにも感じます。