米CPI、サンベルト地帯一部で2%下回る-急騰した住居費が沈静化
(ブルームバーグ): かつてインフレ率が特に高かったアリゾナ州フェニックスとジョージア州アトランタは現在、米国の大都市の中で最もインフレ率が低い地域となっている。
労働統計局によると、アリゾナ州最大の都市圏であるフェニックスの消費者物価指数(CPI)は10月に前年同月比で1.6%上昇と、伸びは2022年8月のピーク(13%上昇)から大幅に鈍化。約2年前にCPIの伸びが11.7%に達していたアトランタでは先月の上昇率が1.9%にとどまった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復期に特にサンベルト地帯の各州で急騰した家賃や住宅価格は、ようやく地域全体で落ち着きを見せ、インフレ改善の主因となっている。
例えば、フェニックス都市圏のシェルター(住居費)の上昇率は10月で前年同月比2.4%と、伸びは全米の約半分にとどまった。ただパンデミック前の19年10月からの上昇率は44%と、全米の同期間の上昇率(26%)より依然として大きい。
一方、アトランタのシェルターは先月、前年同月比3.4%上昇したが、5年前からの上昇率は36%と、こちらも全米の伸びをなお上回っている。
フェニックスではまた、自動車燃料コストが26%低下し、同地域のインフレ抑制に寄与している。
南部の都市ではインフレが弱まっている一方、2年前には南部ほど大きな打撃を受けなかった沿岸部の大都市ではインフレ率が加速している。
ニューヨーク都市圏のCPIは4%、ロサンゼルスでは3%それぞれ上昇した。全米のCPIは前年同月比で2.6%上昇と、3月以降で初めて前年同月比の伸びが前の月を上回った。
連邦政府は23の都市圏の価格を追跡しており、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴは毎月、その他の都市は隔月で発表している。
原題:Phoenix, US Sun Belt See Inflation Rate Ease Below 2%(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Michael Sasso