強引に友達犬をつくるのはNG 犬のストレスを人に置き換えて獣医師が解説
今回は、“犬のよくあるストレス”を2つ取り上げ、獣医師の藤本聖香先生に人に置き換えて解説していただきました。「大したことはないだろう」と犬のストレスについて甘く考えていた飼い主さんは、そのツラさが自分のことのようにわかるはず。心当たりがある場合は、今すぐ対策をしましょう。 【写真】鼻をくっつけている2頭の犬
強引に友達犬をつくらせようとする
犬にも意思があり好みもあります。「友達犬がいたほうがいい」といった飼い主さんの考えで、愛犬の好みを無視してほかの犬に強引に近づけるなどするのは、人に例えると、気が乗らないお見合いをさせられるようなもの。
愛犬が興味を示さなければ強要しないで
愛犬がほかの犬を見て、立ちすくむ、震えるなどして怖がったり、吠える、うなるなどして威嚇したりする場合は、興味がない、もしくは嫌いだというサイン。飼い主さんの勝手な思いだけで近寄らせるなどの強要はしないでください。
元気なのに散歩に行かない
犬にとって散歩は、排せつや運動のためだけでなく、五感を刺激し、楽しくリフレッシュできる時間です。犬が外に出られないということは、人でいうなら、元気なのに自粛生活を強いられ、外を満喫したくてモヤモヤしているようなものでしょう。
散歩は毎日行くのが基本
悪天候などでやむを得ない場合を除き、基本的には散歩は毎日行くようにしましょう。行けないときは室内でリフレッシュタイムをつくり、ストレス発散を意識して。狩りの疑似体験ができる“引っ張りっこ遊び”で適度に興奮させると、ストレス発散につながりますよ。
ストレスは問題行動や病気の原因に
なお、犬は強いストレスを感じたり、繰り返しストレスにさらされ続けたりすると、犬の精神の安定を保つ働きをもつセロトニンの分泌が抑制され、問題行動を起こすようになることがあります。 また、ストレスで自律神経が乱れると、下痢やおう吐などの症状があらわれる「胃腸炎」になるほか、気持ちを落ち着かせるために体をなめ続けることで「皮膚病」になったり、ストレスが原因で免疫力が低下することで「膀胱炎」や「感染症」などの病気を引き起こしたりすることも。 犬がどのようなことにストレスを感じやすいかを知っておけば、飼い主さんも正しく対応できるはず。愛犬の健康のためにも、犬のストレスについて正しく理解することが大切です。 お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師) 参考/「いぬのきもち」2024年10月号『対策急務! 人に置き換えてそのヤバさがわかった! じつはしんどい 犬のストレス』 文/長谷部サチ ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
いぬのきもちWeb編集室