『ヴェノム』完結編、シリーズ最低の出足:全米ボックスオフィス考
先週末(10月25日~10月27日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、映画『ヴェノム』シリーズ第3弾にして完結編『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が興行収入5,101万2,404ドル(約77億円)で首位デビューを果たした。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル150円計算) 『ヴェノム:ザ・ラストダンス』フォトギャラリー 予想されたオープニング興収6,500万ドル(約98億円)を大きく下回り苦戦気味。2018年の第1弾『ヴェノム』のオープニング興収は8,025万5,756ドル(約120億円)、2021年の第2弾『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のオープニング興収は9,003万3,210ドル(約135億円)であり、シリーズ最低を記録してしまった。先週末はドジャース対ヤンキースのワールドシリーズがあったことも興行に影響を与えたようだ。
ただし、中国などではしっかり稼いでおり、海外興収は予想通りの1億2,400万ドル(約186億円)を上げた。製作費は1億2,000万ドル(約180億円)とアメコミ映画にしては抑え気味で、全世界興収は1億7,501万2,404ドル(約263億円)となっている。
また、先週末は映画賞レースに絡んでくるであろう作品が健闘した。『西部戦線異状なし』で脚光を浴びたエドワード・ベルガー監督の新作『コンクラーベ(原題) / Conclave』が4位デビュー。新教皇を選出するコンクラーベの指揮を執ることになった枢機卿にレイフ・ファインズがふんしている。今年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いたショーン・ベイカー監督のコメディードラマ『ANORA アノーラ』は18位から8位にジャンプアップした。ちなみに1館当たりの興収ランキングでは『ANORA アノーラ』が1位だった。
苦戦ぶりが話題となっているDC映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は、公開4週目にして早くもトップ10圏外(12位)となった。累計興収は5,781万7,569ドル(約87億円)だ。(編集部・市川遥)
10月25日~10月27日の全米ボックスオフィスラキングは以下の通り。()は先週の順位。 1(初)『ヴェノム:ザ・ラストダンス』 2(1)『スマイル2(原題) / Smile 2』 3(2)『野生の島のロズ』 4(初)『コンクラーベ(原題) / Conclave』 5(5)『ウィー・リブ・イン・タイム(原題) / We Live in Time』 6(3)『テリファー 聖夜の悪夢』 7(4)『ビートルジュース ビートルジュース』 8(18)『ANORA アノーラ』 9(7)『ピース・バイ・ピース(原題) / Piece by Piece』 10(8)『トランスフォーマー/ONE』