センスがいい食器使いを拝見!「あの人の器ライフ」Vol.1 冷水希三子さん
盛り付けのセンスが光る食のプロに、器使いの極意や御用達の器ショップを教えてもらう連載「あのひとの器ライフ」。第1回目は料理家の冷水希三子さん。おもてなしのテーブルコーディネートの参考にしたい食器の組み合わせ術をチェック。『エル・グルメ』No.27号より転載。
‟バラバラでも、モノとしての力があれば親和性は高い”
「器には一家言あり」という料理家仲間たちにはもちろん、インテリアスタイリストや器作家といったプロからも一目置かれている冷水希三子さん(写真)。ここ数年は、器の展示にキュレーターとして携わるなど、ますますそのセンスが注目されている。 器使いのルールを尋ねると「ルールに縛られないのがルール。それより、どう食べてほしいか、どんな食事の時間を過ごしてほしいかを考えます」との答えが。おもてなしのテーブルコーディネートを例に説明してくれた。 「取り皿ひとつにしても、ひと回り大きなプレートを選ぶだけで、ゆったり、贅沢な気持ちになる。ほかと混ぜてほしくない料理を出すときは、小さめの皿を重ねて用意し、このお皿ですぐに食べて、とサーブします」 カトラリーからワイングラスまでセッティングされた卓上で見ると、レストランのショープレートのよう。食べ手の気持ちを高めてくれる。 大人数での会食時は、オーバルの大皿が活躍するのだとか。「どの席からも手が届きやすいから。難しいことを考えなくても、どんな料理も美しく決まるので、料理や器ビギナーの方にもおすすめなんですよ」 所有する器の数は専門店顔負けのレベル。新旧の作家ものに東西のアンティークと守備範囲が広いが「それぞれに〝モノとしての力〟があれば、親和性は高い」というのが冷水さんの考え方。それらを自由に組み合わせた器使いにも定評があるが、「色鮮やかなもの、素材の異なるものを加えると、食卓に動きが出る。華やかさの演出にひと役買ってくれます」とのこと。 モノ選びの目やセンスは一日にして成らず。でも、一歩先のおいしさや、食べる楽しさから考える器使いは、すぐにでもまねができそうだ。