大阪でS・タイラーに声かけられたイーゼル芸術工房の今
大阪でS・タイラーに声かけられたイーゼル芸術工房の今 THEPAGE大阪
2013年8月、大阪を拠点とするひとつのバンドが、日本中の注目をあびた。その名は「イーゼル芸術工房」。なぜ注目をあびたかというと、大阪・梅田で路上ライブをしていたところを通りかかった、エアロスミスのスティーヴン・タイラーが声をかけ、公演先に呼んでセッションしたことがニュースで取り上げられたからだった。あれから約2年半、彼らはどんな活動をしているのか?大阪府柏原市にある拠点を訪ねてみた。
通天閣で愛された2代目ビリケンさんと生活
近鉄・大阪教育大前駅を下りると、国道沿いにポツンと建つレトロな建物や、その前に置いてある木製のロボット風の置物が目立つ建物がある。中からは楽器の音が漏れ聴こえ、ドアを開けるといかにも飲食店のキッチン跡地にピアノやカホンを設置し、演奏を楽しんでいる人たちがいた。 「こんにちは」とさわやかな笑顔で迎えてくれたのは山下ユウヘイさん、松井香奈さん、西本佳那さん。山下さんによると、3階建てのこの家は、1階が油そば店などの元店舗。2・3両階が居住スペース兼スタジオになっており、男性メンバーがひとつ屋根の下で共同生活を送っているという。 スタジオでは、リーダーの竹下壽晃さんが、プロデュースしているというアイドルの山崎歩夢さんのレッスンを行っていた。その部屋にはなんと、なにわのシンボル「通天閣」の展望台で1979年~2012年まで大阪や来場者を見守っていた「2代目ビリケンさん」がいた。 2012年に3代目に移行される際、同バンドが「メンバー」として通天閣から借り受け、現在も各地で行うコンサートなどに連れて行っては人気を博しているという。映画にまでなった人気の神様。「東北の被災地へ持っていった時は、本当に喜ばれました。足裏だけではなくて、頭までみなさんなでてくれて」と竹下さんは語る。 30年以上にわたって来場者になでられた足裏は、ずいぶんとへこんでいる。それだけ多くの人に愛されていた証であり、第2の人生を送る今でも、多くの人に幸運を呼んでいるようだ。