ヴィクトリアマイルは高速決着必至 侮れないのは中距離路線からの転戦組=総合力を秘めた実力馬
――この人気2頭が能力を出しきれば、NHKマイルC同様、平穏な決着に終わりそうですが、これらに割って入るような存在、大西さんが注目している伏兵馬はいませんか。 大西 昨年の牝馬クラシックで、"ナンバー2"級の評価を得ていたハーパー(牝4歳)は侮れないと思います。昨秋以降、芝の中距離路線を歩んでいますが、この馬はもともとマイルの重賞ウイナー(今回と同じ舞台のGIIIクイーンC)。GI桜花賞(阪神・芝1600m)でも4着と好走した実力馬ですからね。 また、同馬を管理する友道康夫厩舎と言えば、2013年、2014年とヴィルシーナで当レースを連覇した実績があります。そして、ヴィルシーナが4歳時に勝った時の臨戦パターン(秋華賞後、エリザベス女王杯→大阪杯)が、今回のハーパーの臨戦(秋華賞後、エリザベス女王杯→有馬記念→大阪杯)と似ている、というのも気になるところです。 実際、東京のマイル戦はバックストレッチが長く、特にGIではタフな流れになります。そのラップを維持したままラスト600mの攻防に向かっていくため、スピード、キレだけでは通用しません。総合力が要求されるレースになるので、中距離からの臨戦は悪くないんですよね。 友道厩舎は他にも、2021年にランブリングアレーが10番人気で2着と好走した実績があります。同馬も中距離路線からの距離短縮ローテで結果を出したように、この臨戦パターンは要注意と言えます。 ということで、直近の成績から人気の盲点になりそうなハーパーを今回の「ヒモ穴」に指名したいと思います。
武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku