中国・広州動物園で2100年以上の時代にまたがる墳墓148基発見
【東方新報】中国・広東省(Guangdong)の広州動物園(Guangzhou Zoo)で148基の墳墓が発見された。これらは古くは漢朝時代から中華人民共和国建国初期のものまで、2100年間にわたるさまざまな異なる時代の墳墓である。 「広州市文物考古研究院(Guangzhou Municipal Institute of Cultural Heritage and Archaeology)」が主導して今年4月から7月にかけて、動物園の建設工事区域の約1300平方メートルのエリアの発掘調査が行われた。 その結果、漢朝時代の墓4基、晋朝時代とそれに続く現在の南京市(Nanjing)を都とした4つの地方王朝の総称「南朝時代」の墓8基、唐朝時代の墓15基、そして明朝・清朝時代とそれ以降の墓121基が含まれている。 陶器、磁器、青銅器、ヒスイ、ビーズの装飾品など合計196点の歴史的遺物が発掘された。また中華民国時代から中華人民共和国建国初期の頃までの48基の墓石も出土した。 同研究院の話では、今回発見された墳墓は2100年以上にまたがる時代のもので、それらは非常に密集して分布しているのが特徴だという。 最も重要な発見としては、ほぼ無傷で発掘された東晋時代の墓と良好な保存状態の南朝時代の墓がある。 東晋時代の墓は、広州で発見されたこの時代の墓の中で最も大きく、長さは10メートル以上あり、入り口付近に墓泥棒の穴があるにもかかわらず、その墓室と壁はほぼ無傷だった。 南朝時代の墓はやや小さく、夫婦が共同埋葬された墓であることが確認された。こちらも上部に小さな穴が開いており、略奪の形跡が見られるが、全体的にはほぼ無傷のままだった。 「この2つの墓の発見は、三国時代の江南(Jiangnan)地方の呉の国から東晋と南朝の4つの地方王朝を合わせた『六朝時代』の広州地方における埋葬の形やプロセス、儀礼や習慣などの重要な研究材料になる。また晋と南朝の建築技術の研究にも大きな意義がある」、同研究院の研究者はこう強調する。 墳墓の配置、特に明と清の墓室の配置は、いずれも一定のパターンに従っていた。規模や方位が類似しているだけでなく、墓と墓の間隔も一定していた。このことは、このエリアがよく組織化され、計画された墓地であったことを示唆しているという。 広州動物園は、実は広州地域の重要な埋葬地の一つに位置していた。1956年以来、動物園の建設に伴い、広州市文物局は園内の30以上の場所で500近くの古い墳墓を発掘している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。