熊本城、進む石垣の復旧作業 子どもらからのメッセージ付きの石も
2016年4月の熊本地震で大部分が崩落する被害を受けた熊本城(熊本市中央区)の石門(いしもん)北側石垣の復旧工事が12日始まり、報道陣に公開された。ずれた石を取り外して積み直すなどの作業を進め、26年3月の完成を目指す。 【写真】復興への思いが書かれたメッセージぐり石 市熊本城総合事務所によると、天守閣北東側に位置し、1600年前後の築造と推定される。熊本地震では約8割が崩落した。 工事では表面を覆う大きな築石(つきいし)約400個をいったん外し、改めて1300~1400個を積み直す。伝統的な工法が基本だが一部は現代工法も使う。 初日は作業員らがクレーンを使って築石を外したり、内部に詰められているより小さな「ぐり石」を取り除いたりしていた。 この日は6月から復旧工事が進められている隣の平櫓(ひらやぐら)台石垣で、子どもらの復興への思いが込められた「メッセージぐり石」が石垣の上部に詰められている様子も公開された。メッセージぐり石は、「復興願う!」「震災に負けない」などと書かれた約530個。イベントなどで書き込んでもらったという。 同事務所の岩佐康弘復旧整備課長は「熊本城の石垣は全域で多大な被害を受けたが、少しずつ着実に復旧を進めている。子どもたちのメッセージを、我々も励みにして工事に取り組みたい」と話した。【中村敦茂】