プロレス復活の立役者、棚橋弘至 “猪木問答”で貫いた信念今も変わらず
仮面ライダーの撮影現場は夢のような空間
そんな棚橋といえば、大の「仮面ライダー」好きとしてファンの間では知られている。 今や定番の決めポーズとなっている右手の親指と人差し指を突き出す“逸材ポーズ”も、『仮面ライダーカブト』を意識したものだ。 今年8月にはテレビ朝日系『アメトーーク』の「仮面ライダー芸人」に出演し、仮面ライダーへの熱い思いを語った。 今作では、人類を脅かす最恐の敵Dr.パックマンの仲間で屈強な肉体を誇る来瀬荘司(ロボルバグスター)役で出演するが、棚橋は「仮面ライダーの映画に出演させてもらえると聞いたときは飛び跳ねましたね。ずっと好きだった仮面ライダーの世界、夢のような空間が目の前に広がっていました」とうれしそうに語る。 劇中では、プロレスラーならではの身体能力を活かした格闘術も披露しているそうで、「僕はパワー系の怪人役なので。プロレスファンが観たら『そう来たか!』というようなプロレスの動きや、初めて観る方にも『パワーがスゴイ!』と伝わるような動きは要所に入れています。『仮面ライダー』のファンの方はもちろん、プロレスファンの方にも観てほしいです」と目を細める。 そして、その視線の先にはまた別の目標も見据えている。
「『仮面ライダー』ってプロレスを知らない子供たちが観るじゃないですか。今の子供たちはプロレスという存在自体を知らないと思うんです。テレビも深夜の放送ですしね。なので、来瀬という役をキッカケに子供たちに少しでも棚橋という存在を知ってもらって、プロレスに興味を持つ第一歩になればいいなと」 試合でファンを魅了するだけでなく、わき上がる底知れぬプロレス愛こそが、棚橋をして“100年に一人の逸材”と呼ばれる理由なのかもしれない。
■棚橋弘至(たなはし・ひろし) 1976年11月13日生まれ。岐阜県出身。99年10月にデビュー。2006年7月に第45代IWGPヘビー級王者となり、11年には同王座を歴代最多となる11回防衛。09年、11年、14年には「プロレス大賞」の最優秀選手賞(MVP)を受賞するなど、プロレス界の顔となる。来年1月4日開催の「新日本プロレス」の東京ドーム大会では、IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也に挑む。