オープン戦最下位争いでもソフトバンクはOKで阪神は不安。何がどう違う?
セ・リーグ6球団の監督がトークバトルした「ファンミーティング2018」に参加した金本監督は、「勝てていないが、あくまでもオープン戦。そこまで勝ちにこだわっていない。勝ちはシーズンにとっておく。楽観視じゃないが、そういう気持ちでいる」と、不安説を一蹴。 「主力だけに頼るのではなく、大山、糸原、高山ら若手に頑張って欲しい。ベテラン、中堅、若手でうまく競争ができて(野手は)いい仕上がり。先発に多少の不安は残っているが、若い力でカバーできればいい」と続けた。手ごたえと共に先発への不安は隠せなかった。 「去年リリーフに頼りすぎた。今年はリリーフ陣の負担を少なくしたい。先発にさらなる奮起をしてもらい粘り強く先発に勝ちがつく展開にしたいのだけど、不調。そこが心配」 開幕投手にはメッセンジャーを指名しているが、本来、エースの座を争わねばならない昨年12勝6敗の秋山拓巳が18日の中日とのオープン戦で6回10安打7失点と炎上。復活を期す藤浪晋太郎も、まだ手探りで、岩貞祐太は、17日の中日戦で5失点した。2試合続けて投球内容が悪い。能見篤史が、ベテランらしくマイペースでテーマを消化しているのが救いだが、大きな貯金を作れる投手ではない。 金本監督が「若手でカバー」という中からは、2年目の小野泰巳が順調で、ドラフト2位の左腕、高橋遥が投げる度に評価を上げている。おそらく、この2人がローテーに抜擢されるのだろう。 シーズンを通してみれば、同じく2年目の才木浩人、そして、昨年伸び悩んだ青柳晃洋らの名前が、ここに加わってくるのかもしれないが、未知数。現地点で先発陣の名前の6人はスンナリと出てくるだけにAクラスに入る資格のあるチームであることは間違いないが、先発陣が不安材料を抱えている。 4番に予定している新外国人のロサリオの成否も議論となっている。それはそれで放ってはおけない問題。だが、長いペナントレースを考えると、それ以上に先発への不安が深刻なのだ。 評論家の池田さんも、「阪神の不安材料は先発だろう。今のところ秋山、岩貞に大きな成長の姿が見られず、藤浪も不安定。メッセンジャー一人にしか計算が立たないのでは厳しい。ソフトバンクの負けと内容が違うのは、この点」という見方をしている。 「ルーキーの高橋の2軍戦での投球を見たが、腕のふりに対してボールが伸びてくるタイプのピッチャーで、あのストレートは非常に面白い。首脳陣が使いたくなるピッチャーだと思う。でも新人の星は、あくまでも計算外のプラスアルファ。昨年、メッセンジャーと共にローテーを支えた秋山へは、当然、他球団のマークも厳しくなってくるから、それ以上の成長を見せなければ、昨年のような貯金を稼ぐことも難しくなる。セ・リーグも、中日、ヤクルトの戦力がガクンと落ちるので、4チームの争いとなりそう。ただ不安材料を考慮すると、阪神と巨人の3位争いになると予想せざるをえない」 今日20日からオープン戦は終盤戦に突入した。阪神は、この日、横浜DeNA戦を雨で流した。明日21日にロッテと千葉で試合を行い、関西へ帰り、京セラドームでオリックスと最後の調整が3試合ある。 一方、ソフトバンクは、ヤフオクドームに腰をおちつけて中日と2試合、広島と2試合を戦い、マツダスタジアムでの広島戦でオープン戦を締めるスケジュールとなっている。 残り試合で両チームは開幕へ向けてチームの形をどう整えるのだろうか。