【East Of Eden インタビュー】さまざまな可能性があることを最初の作品で示したかった
バイオリニストのAyasaが凄腕ミュージシャンを誘って結成したEast Of Eden。特定のジャンルに縛られず、可能性を無限に広げていけるバンドであることは、5曲が収録された1stミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』を聴けばよく分かる。そんな本作についてメンバー全員に語ってもらった。 East Of Eden インタビューのその他の写真
このメンバーだったら、やっぱりロックだろう
──East Of EdenはAyasaさんが発起人ですよね? Ayasa:はい。私は昔、インストバンドのSword of the far eastをやっていて、今はソロと並行してMorfonicaのメンバーとしても活動しているんですけど、それとはまた別のかたちでヴォーカリストがいるバンドをやりたいと思ったんです。 ──メンバー全員が女性というのも最初から考えていたんですか? Ayasa:そうですね。10年以上ステージに立ってきて、女性のミュージシャンは何かしらの相通ずるものがあったりして、尊敬できるところもたくさんあるんです。同性だからこそ理解できる大変さ、つらさもあると思っていて。私と同じようにそういうのを乗り越えてきたメンバー同士で、尊敬し合って刺激もし合えるという点でも、全員女性がいいと思っていました。 ──最初に声をかけたメンバーはどなたでした? Ayasa:厳密に覚えていないところもあるんですけど、ざえもんちゃんとYukiさんがほぼ同じくらいの時だったと思います。 ──YukiさんはもともとSNSでAyasaさんとつながっていたんですよね? Yuki:そうなんです。お互いにニアミスすることは何度もありつつ、直接お会いする機会がずっとなくて。そういう中でSNSでフォローさせていただいたらフォローしてくださったんです。最初にお会いしたのはカフェでしたよね? Ayasa:そうでしたね。 Yuki:前から私もAyasaさんと一緒に何かやりたかったので、このバンドにお誘いをいただいた時は“ぜひ!”という感じでした。 ──わかざえもんさんが誘われたのはいつでした? わかざえもん:アメリカに行く前でした。 ──マーティ・フリードマンさんのバンドのメンバーとして今年の3月から4月にかけてアメリカツアーをしたんですよね? わかざえもん:そうです。帰ってきてから改めてお話をしました。 ──みなさんに声をかけたのは意外と最近なんですね。 Ayasa:そうなんです。メンバーが揃ってから怒涛の勢いでいろいろなことが動いていきました。 ──MIZUKIさんに関してはLonesome_Blueの曲にAyasaさんが参加したことがありましたよね? 今年の2月のLonesome_BlueのライヴにAyasaさんがゲスト出演したこともありました。 Ayasa:ライヴで実際にご一緒したのが大きかったです。“ドラムはMIZUKIさんしかいないんじゃないか?”って思いました。 MIZUKI:声をかけていただいて嬉しかったです。Ayasaさんはバイオリンはもちろん、人柄も素晴らしいので、“絶対にやりたい!”って思いました。 ──Ayasaさん、モテモテじゃないですか。 Ayasa:そんなことないんですよ(笑)。必死にお願いしましたから。みなさんにOKしていただけて本当に嬉しかったです。バイオリンは他の楽器と較べてバンドの主軸となりにくい感じもあるので、“バイオリンと一緒にがっつりやるって感じじゃないんだよね”って言われるんじゃないかなと。そういうネガティブな想像がありました。でも、みなさんが前向きにとらえてくださったのがとても嬉しかったです。 Yuki:私はイベントとかでバイオリンと一緒に演奏させていただいたことが何度かあったんですけど、バンドとしてやるのはEast Of Edenが初めてで。バイオリンとギターのツインリードみたいな感じは、ギターのツインリードとはまた別の楽しさがありますし、“新しいことがいろいろできるんじゃないかな?”というワクワク感が、お話をいただいた時からありましたね。 わかざえもん:私も楽しみでした。普段はなかなか合わせる機会のない楽器のことを知りながら、一緒にやることにワクワクしていました。 ──楽器のメンバーが決まったあとにお声がけをしたのがあかねさん? Ayasa:はい。スタッフさんに“湊あかねさんって知ってる?”と言われて。prediaさんのことはもともと存じ上げていて、湊さんの動画も観たことがあったので、実際にお会いできた時は嬉しかったです。 ──あかねさんはロックバンドのヴォーカリストとして加入を打診されたのは初めてですか? 湊:初めてです。最初にAyasaさんとお会いした時、めっちゃ褒めてくださったんですよ。まず“怪しいな…”と思いましたね。 全員:(大爆笑)。 湊:“こんなに褒めていただけることは、人生の中で二度とない気がする”というくらい(笑)。声をかけていただいたのが嬉しくて、“やります!”とすぐにお返事しました。よくファンのみなさんにも“バンドで歌ったら?”と言われていたんです。だから、East Of Edenで歌うことが決まった時、“こういうのを待っていた!”っていう反応をいただけたのが嬉しかったです。 ──メンバーが決まったのはいつだったんですか? Ayasa:4月? わかざえもん:5月じゃないですか? Yuki:今調べたら、初めて全員が実際に集まったのが6月です。 Ayasa:5月にメンバーが決まって、6月に初めて集まったということですね。 ──半年もしないうちに全曲オリジナルのライヴをやって、年内にミニアルバムをリリースするという、かなり急ピッチですね。 Ayasa:そういうことになりますね。メンバーが決まってからの動きが、とにかく速かったので。 ──Ayasaさんはどういう音楽性のバンドをやることをイメージしていました? Ayasa:私はアニソンをやったり、アニメのイベントに出ることも多かったので、アニメファンに喜んでいただける楽曲もやりたいというのは思っていました。あと、私がメンバーを集めるからには、ロックをやりたいというのもありましたね。やさしいほがらかな曲を中心にやるつもりはなかったので。メンバーが決まっていく中で、そういう気持ちはより強くなりました。“このメンバーだったら、やっぱりロックだろう”と。 ──海外進出も視野に入れていたんじゃないですか? Ayasa:そうですね。海外だろうが日本国内だろうが、チャンスは的確に掴んでいきたいです。でも、まずは日本でちゃんと頭角を現した上で、海外でもやっていきたいと思います。 ──あかねさん、パスポートの準備は大丈夫ですか? 湊:私がパスポートを持っていないように見えますか?(不満げなトーン)。 ──そんなことないです。怒られるとは思わなかった(笑)。 湊:パスポートは持っています(笑)。なので、海外に行く準備はOKです! Yuki:私、OKじゃない。この前、期限が切れました。 MIZUKI:私はもうすぐ切れるかも…。 湊:私も来年切れるかも!?(笑) ──(笑)。スーパープレイヤーが集まっているバンドですけど、かなりほんわかした雰囲気の5人ですよね。 Ayasa:楽器が違うので、それもあってぶつからない気がしています。それぞれに自分の楽器でやっていくという気概があるから、変なことでピリピリしないというか。人選の点でも、おどろおどろしいことにならないであろうメンバーがいいというのもあったし(笑)。音楽を一緒に作っていく中で意見交換はしますけど、基本はこんな感じで活動していけたらいいですよね。 ──この5人の音楽的接点、共有している感性とかは何か感じていますか? Ayasa:それぞれの音楽面でのルーツはバラバラでしょうし、全員が“これいいよね”みたいになることは全然なくて。逆にそれぞれ別のルーツを持っているメンバーが一緒にやっているのがいいっていう感じです。